机も棚も山積み…なのに「引っ越し荷物は段ボール2箱まで」だと!? 激震走る新潮社編集部のカオスっぷりが話題

山本 明 山本 明

「内装工事のため、秋までに別の部屋に引っ越しせよ。持っていける荷物は1人ダンボール箱2つまで」(ツイートより抜粋)という激震ニュース投下直後の新潮社編集部文芸(@Shincho_Bungei)の一隅を写した画像が、SNSで大注目を集めました。7月2日に投稿されたツイートは9日現在、実に約16万件ものいいねがついています!!

これぞカオスともいうべき光景に「既視感しかない」という共感、「断捨離待ったなし」という呼びかけ、果てはダンボールのサイズは未だ指定されていないことから「コンテナサイズのダンボール箱を準備する(名案)」と知恵を授ける(?)提案まで、投稿にはありとあらゆる種類のコメントが殺到しました。

同編集部に連絡を取ると、話題になった写真には、実は手前から3台机が写っている、といいます。もはや堆積物で、各々の机の境界線も定かではありませんが…。詳しい話を、

◇手前の招き猫の乗った机を使う、今回の投稿をしたYさん
◇椅子がこちらに背を向けている、真ん中の机を使うKさん

のお二人に聞きました。

――なぜこんなにも積み上げてしまったのでしょうか。

Kさん「でも最下層を確かめると今年の1月のゲラだったりしたんです。だから約7カ月分の月刊誌のゲラと、単行本の資料やゲラが主になります」

――意外と浅い地層だったんですね。

Kさん「あとはいつか読む、と信じて積んでいる本も多いです。特に文庫。文庫は水」

――『文庫は水』…名言です。

Kさん「水だから、いくらでもどこにでも入り込んでいってしまう」

――しかし、よくよく拝見していると混沌の中に秩序がある気が…。案外、お二人はそれぞれ、この「タワー」のどこに何があるか完璧に理解していて、望めば直ぐに必要な情報にリーチできるのでは?

Kさん「できます(即答)。時系列とジャンルで分かれているから大丈夫。捨てたらダメなものは捨てていないし、失くしたらダメなものは失くしていない」

Yさん「捨てられないからこそのこの状態であって、捨てていないのであれば、必要なものは絶対ここにある。自分の中ではきちんと分類、整理されています」

――そうなんですね。そもそも、どうしてこの投稿をしたのですか。

Yさん「時々、社内の様子を投稿することがあり、以前、校閲部のハンコについてツイートしたら『すごくアナログ感がある』と話題になりました。今回も引っ越しの通知を受け、ザワつく部内をお見せしたら面白がってくれるかな、と思い投稿しました」

――各方面から大反響がありました。

Yさん「びっくりするほどの反響でした。『やっぱり紙が好き』という人は意外と多いのかもしれない、と思いました」

Kさん「紙の上に書かれた文字は特別なんです。PCの画面でファイル名を見ていても何も感じないけれど、たとえば本の背表紙や、資料のコピーを見ているうちにふいに、企画がぱっ!と浮かんだりする。そういう力がある」

Yさん「でも会社で無尽蔵に本を所有するわけにはいきませんから(笑)。古本屋さんに本を売る予約をしたり、休日に車で来て、本を持ち帰るなど断捨離が社内で始まっています」

   ◇   ◇

…現在、整理が進行中の部内では、ぼう大な紙の資料にまぎれ、今まで各所で見落とされてきた品々にも注意が向けられつつあるのだそう。Yさんは本棚の中に埋もれていたタッパーを救出しました。またKさんは今回の投稿がバズったことで友人から杖の存在をLINEで指摘されたそう。この杖はずっとKさんを支えて来てくれた大事な一本とのことで、ぜひ本だけでなくこれらの品も忘れず、新天地へ連れて行ってあげてくださいね。

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