1987年に発売された俵万智さんの短歌集「サラダ記念日」。そこに掲載されていた短歌「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」が大流行したことで、7月6日は「サラダ記念日」となっています。
恋は特別ではない1日を記念日にしてくれる。そんな想いのこもった短歌ですが、そんな淡い気持ちを忘れて久しく、この短歌を聞くたびにトマトやキュウリなどの夏野菜を使ったサラダを食べたくなります。そこで今回は、この時期に役立つ夏野菜を使った暑さを乗り切るための方法についてお話します。
サラダ記念日も他の日も夏野菜をたくさん食べよう
旬の野菜を食べることが健康につながるという考え方
東洋医学に「医食同源」という言葉があります。日頃からバランスの優れた食事を摂ることで、病気の予防や治療につながるという考え方です。ここで重視されるのが「何を食べるか」ということなのですが、少し複雑なのは適した食材が季節によって違うという点です。
春夏秋冬それぞれに最適な食材があるのですが、専門家を目指しているのでなければ、それらを全部覚えるのは大変です。
そこでおすすめなのが、「旬の野菜を選ぶ」という考え方。最近はほとんどの野菜が年間通してスーパーに並んでいるため、旬を意識することがほとんどないかもしれませんが、旬の野菜を選んで食べることで、健康を維持しやすくなります。
シンプルでわかりやすいのが「夏野菜」です。トマトやキュウリ、ナスといった野菜は水分がとても多く、喉の乾きを潤してくれます。もちろん水分補給だけでなく、夏を乗り切るための栄養も優れています。
具体的にどのような栄養が含まれているのか、詳しく見ていきましょう。
健康維持のために旬の野菜を意識的に摂ろう
夏野菜に含まれる栄養素とその効果
夏野菜は水分が多くて、ビタミンも豊富に含まれており、暑さ対策に最適です。そこでここでは、夏バテ防止を意識したときにおすすめの夏野菜をご紹介していきます。
●キュウリ
キュウリは「世界一栄養のない野菜」と言われることもありますが、それは水分の比率が大きいことが影響しています。キュウリの約95%は水分ですので、水分補給効果が得られます。利尿作用もあるので、体内の熱を外に逃しやすいといった特性もあります。
●トマト
トマトはビタミン類が多く含まれており、日焼けによる肌の老化や暑さによるストレスから体を守ってくれると言われています。さらにはキュウリと同じくカリウムも含まれており、94%が水分ということもあって、こちらも暑さ対策に最適です。吸収効率のよいトマトジュースもおすすめです。トマトジュースはミキサーがあれば自分で手軽に作れて、冷凍保存もできるので、まとめて作っておくと何かと便利です。
●ゴーヤ
ビタミンCを多く含んだゴーヤも暑さ対策に有効な夏野菜です。疲労回復効果が期待でき、さらには苦味成分が胃腸を整えてくれる効果も期待できるので、夏バテ気味で食欲が落ちかけたときに食べることで弱った胃腸が整い、食欲が戻る効果も期待できます。
ゴーヤは茹でたり炒めたりして食べることが多いのですが、もちろんサラダにして生で食べることも可能です。ただし、苦味が人によっては苦手に感じるかもしれませんが、栄養面を考えるとサラダで食べるのがおすすめです。
【参照】
食品成分データベース(文部科学省)
トマトの栄養成分
きゅうりの栄養成分
ゴーヤの栄養成分
キュウリやトマトを積極的に食べよう
涼しい時間の運動も行ってこれからやってくる夏バテに備えよう
夏野菜は暑さ対策になりますが、それだけで完全に熱中症を予防することはできません。暑さを避けてエアコンを使い、食事以外でのこまめ水分補給をするなどの対策も必要です。そして、もうひとつ心掛けてほしいのが「程よい運動」です。
運動なんてしたら余計に熱中症になるじゃないかと思うかもしれませんが、運動をまったくしないのも体力を低下させて熱中症リスクが高まります。早朝や夕方の涼しい時間を選んで、30分程度の散歩やジョギングも行いましょう。
全力で行うのではなく、「やや暑い」と感じる程度の強度で行うのがポイントです。これを毎日繰り返していれば、体力や筋力の低下を防ぐことができ、健康な状態を維持しやすくなります。自分で負荷を調整して、夏でも体を動かしておきましょう。
おすすめなのは朝起きて散歩に行き、帰ってきてから夏野菜のサラダを含んだ朝ごはんを食べること。夏とはいえ早朝は比較的涼しく、熱中症リスクは低いので、散歩で体を鍛えておき、夏野菜で水分と栄養を補給して、熱中症や夏バテの不安を解消しましょう。
健康は1日にして成らず。継続することがとても大切ですので、運動と夏野菜のサラダを習慣化して、今年の夏を元気よく乗り切りましょう。
程よく運動もして暑さに慣れよう