「描いたこと覚えてないなあ」レジェンド漫画家・日野日出志、本人も知らないレアすぎる作品集が完成

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近年、精力的な活動でファン層を拡大しているホラー漫画界のレジェンド日野日出志さん。単行本未収録の入手困難な“幻の作品”を多数収録した新刊「日野日出志 あなたの知らない!怪奇漫画集」が5月7日、イカロス出版から発売される。幻想小説風、スラップスティック、エロ、ブラックと、強烈な情念に満ちた異形の13作品がピックアップされている。

オカルト研究家にして熱狂的な日野日出志ファンの寺井広樹さんが、1960〜80年代に発表された隠れた傑作をチョイス。ちなみに日野さんと寺井さんのコンビは、ここ2、3年の間に「日野日出志 泣ける!怪奇漫画集」や「日野日出志 トラウマ!怪奇漫画集」などを世に放ってきたことでも知られている。

収録作品は――

のっぺらぼう
女の箱
おかしなおかしなプロダクション
濡肌牡丹血染刺青
セミの森
地獄へのエレベーター
太郎とブラック小僧
性ルスマン異聞
ブラック紳士
花ざかりの森
餓鬼地獄
生首屋敷
白魔

日野さんは「(代表作のひとつである)『蔵六の奇病』はこれでダメなら、と命をかけて描きましたけど、そういう作品って生涯で1回しかできないんですよ。『蔵六の奇病』『地獄変』『赤い蛇』の3作品以外は全部、ごはんを食べるため。全部に命をかけるなんて無理です」などとコメント。本作「あなたの知らない!怪奇漫画集」についても「当時は長期連載したいっていうスケベ根性があったので、純粋さがなくてダメですね。自分でも全然記憶に残らないんですよ」とぶっちゃける。

とはいえ寺井さんは「全ての日野作品には明確な日野イズムが流れている」と太鼓判。怪奇とブラック・ユーモアを織り交ぜた13作品を、作品のオリジナルを尊重して過激な表現もそのまま掲載している。1870円。

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