美猫のヨーコちゃん、ペットロス経験をもつ男性の元へ いつも家族の中心に

渡辺 陽 渡辺 陽

ヨーコちゃん(7歳・メス)は、ある日、グループホームに突然現れた。生後6か月くらいだった。ボランティアが保護したが、あまりにも人懐っこいので里親を探すことにした。その頃、東京都に住む生井(なまい)さんは、猫と暮らしたいと思い、譲渡会情報などを検索していた。

 

グループホームに現れた猫

2013年の初夏、猫のヨーコちゃんは突然、東京都のグループホームに現れた。生後6か月くらいだった。人にも慣れていて、グループホームの黒猫ともすぐに仲良くなったので、個人ボランティアが簡単に保護できたという。

保護してすぐに不妊手術をしたが、あまりに人慣れしていたので、リリースせずに飼い主を探すため、里親会(譲渡会)に参加することになった。

生井さんは、小学校4年生から社会人になった直後まで、実家で犬を飼っていた。子供から大人へ成長する、一番多感な時にいつもそばにいてくれたが、その犬が亡くなり、生井さんは「もうペットは飼わない」と思うくらいのショックを受け、ペットロスになってしまったという。

時が経ち、もう一度ペットと一緒に過ごしたいと思うようになった生井さん。

「今度は人と寄り添うように生きていて、きれいな目が印象的な猫と生活してみたいと思いました」

そして譲渡サイトや譲渡会情報をあたってみた。

人懐っこい美しい三毛猫

「ねこけん」の里親掲載サイトでヨーコちゃんに目が留まった。2013年11月初旬、譲渡会に参加して、ヨーコちゃんをお実際に見てみることにした。

「譲渡会に行くまでは、別の保護猫さんにも興味がありましたが、譲渡会で実際に会って、きれいな毛艶で整った顔立ちの美人な猫だと思いました」

すでに生後10ヶ月くらいだったので、子猫というより少し大人な感じがしたが、抱っこさせてもらうと、とても大人しく嫌がらずに抱っこされていたのが印象的だった。

数日後、保護主さんがヨーコちゃんを家に連れてきてくれた。部屋に入った直後は緊張していて、家具の後ろに隠れてしまったが、1時間くらいで出てきて、生井さんにもすぐに慣れてくれた。猫との生活は初めてだったが、用意したハウスやトイレをすぐに使ってくれたので、困ることはあまりなかったという。

保護主は、「新しいおうちでの生活となるので、好きな名前を付けて良い」と言ったが、ヨーコちゃんと呼ばれ慣れていたのと、ヨーコちゃんという名前が雰囲気に合っていたので、そのままヨーコちゃん呼ぶことにしました。

ヨーコちゃんがいると家族の温もりを感じられる

三毛猫はツンデレが多いと聞いたことがあるが、ヨーコちゃんの場合は大半がデレだ。ヨーコちゃんは、起きている間は家族の誰かの近くにいることが多く、別の部屋に移動する時も一緒に付いていく。夫妻が寝るとき、ヨーコちゃんは布団の中には入ってこないが、布団の上か布団の傍らで一緒に寝ているという。

「実は少し運動神経が悪いのでは?と思えるほど、高いところに飛び移る時、よく落下します。そんな時にも『なにかあった?』という表情をするのですが、表情がすごく豊かなんです。妻が出産し、初めてヨーコが赤ちゃんと対面した時、驚きと興味で猫ってこんな表情をするんだという、なんとも言えない表情をしていたことが印象的でした」

ヨーコちゃんを迎えた後、生井さんは結婚して子供ができた。ヨーコちゃんは妻のことも子供のことも受け入れてくれた。いつも家族の中心にヨーコちゃんがいるという。

「ヨーコがいることで、家族がヨーコに優しく接し、それが家族の中での優しさにつながっていると思います」

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