米フロリダ州オーランド在住のウエイトレスが取った勇敢な行動が全米のメディアで話題になっています。レストラン「ミセス ポテト (Mrs. Potato) 」で働くフラベインさんは、虐待が疑われる11歳の男の子を機転をきかせて助け、一躍ヒーローになりました。
先月、ある4人家族が来店し、フラベインさんが担当するテーブルに座りました。オーダーを取ると、息子の料理だけ注文しなかったため、メニューに不満でもあるのかと父親に尋ねたところ「家に帰ってから夕食を食べさせるからいい」と言われたそうです。フライベンさんが不審に思ったその時、男の子の顔と両腕にアザがあることに気づいたのです。
「眉毛の間に、大きな引っかき傷があるのが見えました。数分後、目の横のアザにも気づいたんです」
何もせずに、この男の子を家に帰すわけにはいかないと思った彼女は、ある勇敢な行動に出たのでした。接客するフリをしながら父親の背後に立ち、母親に気づかれないように「Do You Need Help?(何か困ってる?/ 助けが必要?)」と書いたメモを男の子に見せたのです。何度かトライすると目が合い、メモに気づいた男の子がゆっくりうなづいたので、すぐに警察に通報しました。
のちに父親は継父と判明しますが、男の子は駆けつけた警察官に、父親に虐待されていたことを打ち明けました。両手を縛られたり、手錠をかけられたほか、ドアから吊り下げられたり、ホウキで叩かれたりしたそうです。さらに、罰として食べ物を与えられなかったことも告白。病院の検査では顔や腕のアザが見つかり、平均体重より約9キロも低体重だったそうです。
今回の件で一躍ヒーローとなったフラベインさんに、その恐ろしい出来事について伺いました。
――見て見ぬ振りをせずに、とっさに勇敢な行動を取れた理由は?以前に同じような状況に直面したことはありますか?
このようなシチュエーションは初めてでした。あの男の子に、とんでもなく恐ろしいことが起こっているような予感がしたんです。幼い子供が苦しんでいるんですもの、助けずにはいられませんでした。神様に後押しされたのか、母性本能が働いて行動に移せたのだと思います。
――通報してから警察はすぐ来てくれましたか?そのときの両親と男の子のリアクションは?
通報してから、約10分後に警察官が来てくれました。両親は何の感情も懸念も示しませんでした。まるで何も起こっていないかのように振る舞っていたんです。男の子は最初は少し緊張していた様子でした。
言うまでもなく継父は逮捕され、虐待を知っていたにもかかわらず、必要な医療行為を行わなかった母親はネグレクトで訴追されました。現在、この男の子と4歳の妹はフロリダ州の児童相談所に保護されています。オーランド警察署は「フラベインさんがあの時、通告していなかったら、男の子の命は長くなかっただろう」と彼女の勇敢な行動を讃えました。
「何か様子がおかしい」と気づいても、すぐ行動できる大人ばかりではないと思います。フラベインさんの素早い判断と勇敢な行動には、本当に頭が下がります。