「気が強くて飼えない」と保護主に二度手放された子猫… 先住猫のいる家庭で幸せに

渡辺 陽 渡辺 陽

動物病院に保護主が連れてきた子猫の女の子。「気が強くて人なれしない」「飼う気になれない」ということだった。大阪府に住む嶋田さんは、里親を募集しているというので会いに行こうとしたが、保護主が再び連れ帰ったと聞いた。

 

アライグマの赤ちゃん?

嶋田さんは、サリーちゃんという猫を飼っていた。長男と話していた時、次に飼うならハチワレ猫がいいなということになった。嶋田さんはそんな話をしたことすら忘れていたが、実は長男が覚えていて、仲のいい友人には話していたという。

ある日、長男から茶色と白のアライグマの赤ちゃんのような可愛い写メが送られてきた。嶋田さんは最初、猫だとは思わず、「可愛いぬいぐるみ、どないしたん?」と返事をした。長男は「ちゃうで、猫の赤ちゃんや」と返信してきた。

その猫は、一度は保護されたのだが、人なれしないからと保護主が動物病院に連れてきた猫だった。里親を募集しているというので、嶋田さんは、一度会いに行くと約束した。

たらい回しにされた子猫

嶋田さんが猫に会いに行く予定にしていた日の前日、動物病院に保護主が現れ、「やっぱり飼いたいから」と連れ帰った。

「他にも子猫がいるから会いに来てください」と言われた嶋田さんは、翌日、長男と動物病院に行ってみた。

するとそこに、保護主が連れ帰ったはずの猫がいた。

「いったん連れて帰ったらしいのですが、気が強くて人なれしていないという理由で、また戻されたと聞きました。先生もとても怒っていて、『もう絶対にあの人にはこの子を渡さない』とおっしゃっていました」

獣医師も「確かにこの子は気が強い。飼いにくいかもしれない」と言ったが、嶋田さんは、たらい回しにされている猫のことを不憫に思い、里親になることにした。他にもシャム系の兄弟猫がいたので勧められたが、さすがに2匹連れて帰る気はしなかった。

「獣医師からは何度も『大変よ』と言われましたが、先住猫のサリーが穏やかだったので何とかなると思いました」

先住猫サリーちゃんと仲良く暮らす

2017年7月、嶋田さんは猫を連れて帰った。名前は、不思議の国のアリスにちなんでアリスちゃんにした。

サリーちゃんは、3日間ほど警戒していた。しかし、そこは生後2カ月の女の子、すぐにサリーちゃんとも仲良くなり、サリーちゃんもアリスちゃんの面倒をよくみてくれるようになった。

アリスちゃんは1匹でいることが好きなようで、干渉されるのが嫌い。他の子と一緒に団子になって寝るようなこともない。唯一、サリーちゃんのことはお母さんとでも思っているのか、サリーちゃんが寝ているとそばにくっついて寝ていることもある。2匹寄り添っている姿を見ていると、「アリスが来て良かったな」と嶋田さんは思うという。

アリスちゃんが不妊手術を受けた時、獣医師は、術後着を着せて、さらにカラーもした方がいいと言った。家に連れて帰り、カラーをつけたが、アリスちゃんはカラーを嫌がって階段から落ちそうになり、その方が危ないのですぐにカラーを外して様子を見たという。

「怪我や病気をしたときにカラーを嫌がらずにつけられるよう、うちの子たちは日頃から首にシュシュをつけています」

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