危ない!信号待ちトラックのタイヤの陰に子猫が… 「待ってよ!だめだよ!そこにいてね!」

渡辺 陽 渡辺 陽

朝の渋滞で停車していたトラックのタイヤの陰に小さな子猫がいた。たまたま横断歩道で信号待ちをしていた村上さんは、子猫が動くのを見逃さなかった。

渋滞中の車列の中に子猫が!

2014年6月10日の朝、埼玉県に住む村上さんは、駅に向かう大通りで信号待ちをしていた。道路は朝のラッシュだった。ふと停車していたトラックに目をやると、タイヤの陰から白い小さなものが出てこようとしているのが見えた。思わず二度見した村上さん。その何かが子猫だと分かった瞬間、パニックになったという。

「車が走り出す前に何とかしなくちゃ!」と思い、子猫に声が届くわけもないのに、「待ってよ!だめだよ!そこにいてね!」と話しかけた。いつトラックが走り出すかもしれず、心臓がバクバク、音を立てているのがわかった。

血相変えてトラックに駆け寄る村上さんと逃げる子猫。ちらっとトラックの運転手が笑っているのが見えた。子猫が隣の車の下に逃げ込んだので、村上さんは焦った。信号が変わり、車が動き出し、村上さんはさらに追い込まれた。

マンションの植え込みに避難

「えーーー!なにやってるの?!」と泣きたくなるような気持ちで、村上さんは必死に子猫を探した。次の瞬間、少し離れたところから白いものが飛び出てきて、近くのマンションの植え込みに飛び込んだ。

「あ!とりあえず、車に轢かれる心配はなくなった」と、村上さんはひとまず胸をなでおろした。

「安心したわけではないのですが、ふと我に返って自分が置かれた状況を思い出し、いったん仕事に向かうことにしました」

その日は一日中子猫のことが頭から離れず、村上さんは、帰りに植え込みをのぞいてみた。既に12時間経過していたため、もういないだろうと思っていたが、「いるの~?」と声をかけると子猫がひょこっと顔を出した。

「間違いない。朝の子だ」

このままでは生きていけない

「ずっと隠れていたの?ママは?ご飯は食べていないの?ケガはしていない?」

心配ごとが次々頭に浮かんだ。怯えた様子の子猫は植え込みの奥に隠れてしまい、あの手この手でおびき寄せ保護するまでに3時間。実に15時間も大通り沿いの、車の騒音の中で子猫は怯えていたことになる。

「恐らく、歩けるようになって、見るものすべてが楽しくて、お散歩している間に迷子になってしまったのではないかと思います。お母さん猫とはぐれて、気づいた時には車の往来が激しい大通りに。どうしていいのか分からず、とりあえず茂みに逃げ込んでみたものの、外は大きな車が行き交っていて怖くて出られない。帰り道もわからず、お母さんも来ないし、お腹もすいたし、とても不安だったと思います」

やっと保護できたが母猫の居場所も分からず、子猫ひとりでは生きていけない。家に連れて帰る以外の選択肢はなく、村上さんは8匹目の猫を迎えることにした。名前はかいくんにした。

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