懐かしの「フエキくん」…全国初の専門店が大反響 元日本代表のJ1社長までやってきた

山本 智行 山本 智行

 20日に開業し、9年ぶりに大阪に再出店した複合商業ビル「心斎橋パルコ」(大阪市中央区)に“全国初”となるどうぶつのりキャラクター「フエキくん」専門店がオープンし、話題になっている。文房具をはじめ、スイーツ、コスメ、アパレルなども取りそろえ、運営側は「のりで世界をくっつける」と意気込む。17日の内覧会にはサッカー元日本代表で現在はJ1セレッソ大阪の代表取締役社長を務める森島寛晃氏まで視察に訪れた。その理由とは?

 リニューアルオープンした心斎橋パルコは地上14階、地下2階建て。人気のアパレルやおしゃれな飲食店など約170店が入り、隣接する大丸心斎橋本館とは連絡通路でつながっている。地下2階の心斎橋ネオン食堂街や12階の映画館など来年にオープンするものもあるが、ライブ型キッチンなど体験型の施設やアートに力を入れているのが特徴。また4階にはギャラリーを併設したシェアオフィスが設けられ、6階には「ゴジラ・ストア」「ウルトラマンワールドM78」「刀剣乱舞」などのキャラクター商品やレゴブロックの店舗などが入っている。

 そんな中で、ひと際目を引くのが9階「東急ハンズ」内にオープンした「フエキショップ」だ。ご存じ、かわいい顔をした大阪発のどうぶつのりキャラクター。全面を黄色いカーテンで覆われた一角は連日のように賑わっている。

 フエキくんは黄色い犬の顔の容器と赤い帽子の形をした蓋で知られ、「不易糊工業」(大阪府八尾市)が1975年から発売しているでんぷん糊のキャラクター。国内初の専門店を運営する「ヘソプロダクション」(大阪市福島区)はこれまで複数の地元企業とコラボしており、その一環としてフエキくんの関連グッズも商品化している。

 今回はインバウンド客向けのお土産ショップの依頼を受けたのが出店のきっかけだったそうで、以前から専門店を出したいと願っていた不易糊工業の思いをくんだものでもあった。ヘソプロダクション代表の稲本ミノルさんが言う。

 「フエキくんはアジアを中心にとても人気があり、これからはもっと世界に広がって行くはず。このたび、大阪に出店するにあたり、のりで世界がくっつけばいいなと願い、この25坪のフロアに思いを詰め込みました。600点そろえたグッズは、ほぼこの店のために作ったものばかり。アパレルやコスメなど様々なジャンルの商品を出すことで、それぞれがくっつくことも願っています」

 なかでも、人気なのがショップ限定のスイーツ「フエキソフトクリーム」(500円~)と「フエキアイスクリーム」(600円)。好みのフレーバーのアイスと容器(イヌ、ウサギ、ゾウ、抹茶フエキくん)を選び、専用マシンを使ってセルフで作るスタイルが特に若い女性に受けている。抹茶フエキくんは見た目、ちょっぴりシュールだが、それはそれでインスタ映えしそう。

 またSNSで5万件の「いいね!」の反響があったカミロボ作家・安居智博作の巨大「フエキフィギュア」(何と9万9000円!)もオープンから2日連続で買い手がついたそうだ。

 恐るべし、フエキくん人気。実は17日の内覧会にはJ1セレッソ大阪の森島寛晃代表取締役社長が視察に訪れ、周囲を驚かせた。店内をくまなく回った“モリシ社長”は「子どものころに親しんだキャラクターが形を変えて並んでおり、ワクワクしますね」と笑顔。ちなみにヘソプロダクションはスポンサー企業のひとつ。今年6月にはC大阪の選手用バスと「トミカ」がコラボし、即売したヒット商品の橋渡し役となった縁もあったが、視察した理由はそれだけではなかった。

 「あの選手用バスのミニカ-はもの凄い反響でした。わたしも何人かに頼まれましたが、手に入れることはできませんでした。ちょっとしたアイデアですが、それが大切ですよね」

 現在、C大阪は「日本一の親近感」を掲げ、新たな本拠地「桜スタジアム」の建設を進めている。今回、森島社長が訪れたのは、どうやら来年3月の新スタジアムの開場に合わせ、フエキショップを参考にセレッソのグッズの企画、開発に生かしたい考えがあったようだ。どんなアイデアが飛び出すか。きっと、選手とサポーターの心をくっつけるものになるだろう。

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