コロナ禍により外食需要が落ち込んだ影響で、養殖のブリが深刻な在庫過剰に陥っている。
11月12日、高知県の物産を扱う通販サイト「高知かわうそ市場」はTwitter上の公式アカウントで「コロナの影響で高知県の養殖のブリが28万匹余っています。一年半愛情を込めて育てた一級品ブリを、廃棄せず少しでも皆様の食卓に届けたいです。通常5280円を原価ギリギリの3310円、送料無料でお届けしますので応援宜しくお願いします。」と利益度外視のキャンペーンを告知。
そのお得さと他地方にいては気付かないコロナ禍の影響に、SNS上では大きな注目が集まっているようだ。いま養殖ブリ業界はどのような状況にあるのだろうか?高知かわうそ市場のご担当者にお話をうかがってみた。
中将:ブリ余りが深刻になってきた時期をお聞かせください。
担当者:コロナ禍に入ってだんだん今年の4月ごろから深刻になってきました。
中将:市況が回復するまでブリを飼育し続けるのは難しいのでしょうか?
担当者:これ以上飼育すると品質が極端に落ちてしまいます。また、飼育するということは餌代がかかり続けるし、魚体自体が大きくなるといけすのスペースが相対的に小さくなり、飼育環境が悪くなります。また、生簀に残り続けるということはその次の稚魚を入れられないことに繋がるので、結果、事業の継続が難しくなり倒産する可能性も出てきます。
中将:このタイミングで売り切らないといけないわけですね。
担当者:はい。またコロナとは関係が無いのですが、さらに不運が重なりこの夏の高水温で魚の大量斃死が起こっていて、役場にお願いしてその処理を行っているという状況です。現場としては美味しく食べてもらうために大切に育てた高級魚なので非常に悔しい思いをしています。
中将:これまでの反響についてご感想をお聞かせください。
担当者:SNSで大反響をいただき、現状で50,000件近いご注文をいただいて大変ありがたい限りです。実際に買ったというコメントや、著名な方の応援コメント、魚の養殖を営む方からの応援コメントなど、たくさんの声をいただいており、私どもも生産者さんもとても励まされています。
「高知かわうそ市場」
販売社名:株式会社パンクチュアル
所在地:高知県須崎市緑町1-12
公式サイト:https://kochi-kawauso.com/
ブリキャンペーン特設ページ:https://kochi-kawauso.com/products/ootsukiburi-hanmi?_pos=4&_sid=9b7b71ef8&_ss=r
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コロナ禍によりかつてない打撃をこうむっているのは飲食店だけでない。食べる応援は食材の生産業者に対しても必要なようだ。ご興味のある方はぜひキャンペーンの特設ページをご覧になっていただきたい。