9歳でデビューした子役出身の伊藤沙莉(26)は、自らの潜伏期間を約10年と語る。地上に引き上げられた実感を得たのは、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2018年)から。米屋の娘なのに米が嫌いで自らを”さおり”と名乗る米子を魅力的に演じた。それ以降、仕事面でも私生活面でも大きな変化があったという。伊藤が体感した”朝ドラマジック”とは。
なによりも驚いたこと。それは朝ドラ出演後に肩書きが“元子役”から“朝ドラ女優”に鞍替えされたこと。「ヒロインをやったわけでもないのに朝ドラに出演した途端、色々な場所で”朝ドラ女優”と言われました。もはや朝ドラに出たことがブランドみたいになっていて、街で声をかけられるにしても“テレビ出てますよね?”から“朝ドラの伊藤沙莉さんですよね?”とフルネームで呼ばれるようになった」と影響は如実に表れた。
苦節10年。知名度が上がることは嬉しい以外の何ものでもないが「ふと私は朝ドラ女優と呼ばれていい立ち位置なのかしら?と思うんです。だってヒロインを演じたわけではないですから。呼ぶなら“朝ドラ出たことある女優”にしてほしかった。“朝ドラ女優”という肩書はヒロインを演じた方だけにしてあげてほしい」と恐縮する。