SNS上に気になる書き込みがありました。
「売り切れてた」「買えなかった」「バッグ欲しくて60代じゃないのに買った」「バッグ目当てだったけどメイクのページや氷川きよしさん素敵」
8月17日発売、60代向けファッション雑誌「素敵なあの人10月号」(宝島社)が完売ーーここまでは同社商品ではよくある話。しかし付録の「紀ノ国屋 保冷バッグ&ペットボトルホルダー」目当てにターゲットより年下の世代までが購入しているというのです。
「付録は娘が、雑誌は母が」
最近の傾向として、人気雑誌の付録は、付録情報を発信するアカウントや付録のレビューサイトなどにより、インターネットを通じていち早く紹介されます。情報をキャッチした読者は、オンライン書店や街の書店店頭などで事前予約。人気の号は発売日前に予約完売することも。同誌も発売後すぐに完売し、現在は入手不可です。
世代を超えて購入者がいることを同社は把握しているのでしょうか。同誌編集部に聞きました。
――付録に「保冷バッグ&ペットボトルホルダー」を選んだ理由は?
「レジ袋の有料化にともない、読者のニーズがより高まっている中、よりおしゃれなもの、より便利なものが求められていると感じます。レジかごにすぽっとハマる、レジかごバッグも人気があります」
「保冷バッグは弊社の付録の中でも人気の高いアイテムです。あらゆる世代の雑誌が夏になると保冷バッグ付録を実施しますが、毎年ヒットが出ています。OL層でしたら夏場のお弁当に、主婦層でしたら生鮮食品のお買い物や友人等へのお持たせにと、いくつも手に入れてご活用いただいているようです」
「特に、紀ノ国屋さんは、空港やターミナル駅構内への出店が増えたことにより、地方でも高級スーパーとして知名度を上げていることと相まって、紀ノ国屋コラボの付録はおしゃれアイテムとして認知され、実施する度に大きな反響があります」
――付録目当てに、60代より年下の年代で購入する人がいるようです。この現象をどう思われますか?
「『素敵なあの人』の誌面でもたびたび企画をするのですが、いまの60代の感覚は若く、母娘、お嫁さんとお義母さんなど、二世代消費を楽しむ世代でもあります。そのため、娘世代の方たちが雑誌を購入くださり、お母さんにプレゼントしたり、付録は自身が使い雑誌はお母さんに渡したりといった方も多いので、娘さんからお母さんへ勧めていただけると嬉しいです」
「氷川きよしさん出演、大きな意味」
――「母が買ってくれた」というツイートもありました。10月号に対する「バッグ目当てだったけれど、ファッションやメイクが想像以上にオシャレだった」「氷川きよしさんもよかった」といった、新規読者の反応はどのようにお思いですか?
「弊社の付録はコンテンツのひとつで、本誌の企画も同じように力を入れて毎号、企画・制作しております。いまの60代は、いままでのシニアのイメージとは合致しない、新しい大人世代です。彼らの青春時代に日本でファッション誌が産声を上げ、雑誌を読み込んでおしゃれを磨いてきた世代なのです。ですから、60代になったからといって、従来のシニアファッションを着るようになるわけではなく、いつまでもおしゃれなものセンスのいいものを求める傾向にあります。そういった意味で、彼女たちのファッション感度は70代よりもぐっと40代に近く、それは全体の誌面作りにも強く反映されています」
「氷川きよしさんも、そういった感覚を持った新しい大人世代に受け入れられ、従来のファン層ではないところに人気が広がっているので、ご出演いただいたことは、弊誌にとってとても大きな意味のあることでした。最初の入り口は付録でも、この雑誌が読者の方にとって、読んで面白い!と思っていただけたのでしたら、こんなに嬉しいことはありません!」
今後の特別付録は…
「付録はコンテンツのひとつ」という言葉に深くうなずきながらも、やはり目を引く付録には心動かされます。
「素敵なあの人10月号」は入手不可。創刊1周年号の「素敵なあの人11月号」が発売中です。11月号の付録は、入れたまま通話・写真撮影ができるKEI Hayama PLUS(ケイ ハヤマ プリュス)のお出かけスマホポーチと、TSUBAKI(ツバキ)「プレミアムモイスト」のシャンプー、コンディショナー、トリートメントのサンプルセット。10月16日発売の12月号付録は、2019年には完売したMATURITE(マチュリテ)の「極上のさわり心地!ふわふわ2WAYファーバッグ」です。今年もまた話題になりそうです。