メタリックで光沢があり、予想に反して軽いシルバーのバッグ。見たことのない質感と明るい色が印象的な、大ぶりのネックレスやピアス。そしてゆったりと体を包むデザインのコットンシャツは、今からの季節にぴったりだ。スタイリッシュで個性的なファッションアイテムが魅力的な阪急うめだ本店10階にある「Love&sense」の店長、岩夏実さんに人気アイテムベスト3を聞いた。
それぞれが一点もの!スタイリッシュなバッグや華やかカラーのネックレス
「こちらがお客様に人気の看板商品です」と紹介されたのが、控えめな光沢を放つシルバーのバッグ。表面が鎖をつないだようなデザインで容量もあり、実用性にも優れる。なにより驚かれるのが、その軽さだ。すると「何でできているか、わかります?」と岩さんからの質問が。何といわれましても……?鎖の一つ一つを眺めるうちに「……これ!プルタブ?」。ドリンクの缶を開ける時に指をかける、あの部分だ。プルタブでできたバッグやブローチは、ブラジルで作られている。
次に紹介されたのが、大ぶりで華やかな色をつらねたネックレス。薄い貝殻で作られているかと思いきや、「タグア」という象牙椰子の種子という。中南米の熱帯雨林で自生する椰子で、1~2年ほどかけて完全に乾燥させると非常に固くなる。見た目が象牙そっくりになることから、植物の象牙とも呼ばれているとか。それに色付け、加工して商品にする。南米のコロンビアから来たアクセサリーだ。
そしてリピートでのご購入が多いという服は、「マルコシャツ」というフェアトレード認証のコットンを使ったシャツ。インドで紡績、縫製されたもので、二の腕やお尻など気になる部分をさりげなく隠してくれる、すっきりとしたシルエット。心地よい肌触りが魅力だ。袖口などの処理もしっかり施されている。
「自然素材を使った手作りだから、Love&senseのお店に並ぶのは世界で一つしかない一点ものです」
アイテム一つ一つに込められたストーリーを感じて
かわいく素敵なアイテムが並ぶLove&senseは、ただ服やアクセサリーを販売しているだけではない。ここはフェアトレード商品を扱う店なのだ。
フェアトレードとは文字通り、生産者との正当な取引を行う仕組みのこと。これまで途上国で作られた商品は不当に安い価格で取引されたり、大量生産のために過度な農薬散布で環境破壊や現地の人々の健康被害を招いたりしてきた。Love&senseでは、フェアトレードに取り組むことで生産者をサポート。それが貧困の解消や教育の充実、そして女性の自立や地位の向上を促している。先ほどのプルタブ商品もブラジルの首都、ブラジリア郊外の貧困地域に住む女性らの手によるものだそう。
でも岩さんは、まずはフラットに商品の良さを見てもらいたいという。
8年前に常設店舗のLove&senseをオープンさせた運営会社の福市は、これまで現地の生産者とじっくりと長く直接取引を行い、日本の一般消費者にも受け入れられる高品質な商品づくりを続けてきた。
新型コロナが広まる前は、岩さんも生産者を訪ねに現地へ足を運んでいた。「生産する現地のパートナーは誠実で努力家で、しかもバイタリティ溢れる方たちばかり」だそう。自然素材のアイテム一つ一つに、その国でがんばる生産者たちのストーリーがある。おしゃれアイテムを求めるなら、購入することで貢献できるこの店をのぞいてみては?
「難しく考えず、まずはアイテム一つから。小さくても一人一人の行動が、本当に豊かな世の中を実現するのだと思います」
■Love&sense https://www.love-sense.jp/