「あるときはキャリー、またあるときはハウス」 これは便利だワン!

鶴野 浩己 鶴野 浩己

豪雨や地震など、相次ぐ自然災害。いざというときはもちろん迅速に避難したいが、ペットを飼っている人はそれが難しいケースが多々ある。同行避難のためにペットをキャリーに入れようとしても、周囲や飼い主のただならぬ雰囲気に困惑し、逃げたり、身を隠してしまう子が少なくないからだ。そんな問題をサポートする商品が登場した。メイダイ(愛知県清須市)が販売する「運べるくつろぎハウス」だ。

広げればハウス、閉じればキャリー

一見、ただのキャリーバッグに見える同商品。秘密は、両サイドのファスナーにある。このサイドファスナーをそれぞれ下げれば両側がぐっと広がり、小型犬2頭が入れるペットハウスに変身する。

日頃からハウスとして慣れさせておけば、いざというときもペットが嫌がらずに入ってくれるので、ファスナーを閉めるだけでスムーズに運び出せる。広げたときの大きさや、キャリー内の風通し、視認性は、犬と猫が安心・快適に過ごせるように動物看護士監修のもと設計。付属のショルダーベルトは、肩掛けはもちろん、抱っこリュックとしても使用できるので、避難時に手がふさがれることもない。また、ペットの飛び出し、脱走を防ぐための飛び出し防止リードも標準搭載されている。

キャリー、ハウスと状況に応じて形を変えられるので、移動時はキャリーとして、車内や避難先ではハウスとして使用すればペットがゆったりとくつろげる。犬の場合は、キャンプ・ドッグラン・公園などの外遊びの際にペット用テントとしても活用できそうだ。

今年2月21日に発売され、わずか5か月で累計販売数は1200個を突破。購入者からは「猫を3匹飼っているが、みんな仲良く入ってくれる。災害用に購入したけれど、日常にも使えて便利」といった声が寄せられている。

ペットを守れるのは飼い主だけ

「私自身もペットを飼っているので、災害時の備えの必要性を感じていた」と話すのは、開発をけん引した商品企画部の当山愛さん。14歳の猫と暮らしているという当山さんは、「東日本大震災の際に、飼い主とはぐれたペットのニュースを見て同行避難の重要性を認識しましたが、より危機感を感じたのは熊本地震の時です。私は沖縄出身ですが、当時は九州・沖縄地方は地震が少ないと言われていた。災害は場所を選ばないのだと痛感しました。実家から離れての一人暮らしなので、いざというときにペットを預けられる人もいない。家族同然のペットの備えをしてあげられるのは私だけだと思ったのです」と語る。

同じ思いを抱えている人がいるはずだ、そう考えた当山さんは、早速、ペット誌のバイヤーにヒアリングを実施。そこで、ペットの防災グッズに対するニーズがとても高いことを知り、避難時にペットをスムーズに運びだせる商品の開発に着手した。

動物看護士監修のもと、社員が飼っている様々なペットにも協力を仰ぎ、サイズ感や材質を調整。色柄は、愛猫が持病のために通っている動物病院で、訪れる人たちのキャリーバッグをくまなくチェックし、落ち着いた印象のブルーに決めた。

お出かけグッズが収納できる側面ポケットや、取り外して掃除できる底板など、同商品にはペットを想う飼い主ならではの細やかな心配りが行き届いている。

「いざというとき、大切なペットを守れるのは飼い主だけです。通院時やくつろげるハウスとして日常使いができる商品なので、備えておけば飼い主さんも安心できると思います」。(当山さん)

価格は7,800円(税抜)。同社ECサイトのほか、通販サイトでも購入可能だ。

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