21年半前、天王川公園(愛知県)で3人の小学生が子猫の里親を探していました。たまたま通りがかったれいれい(@5qwkqrwILfKftUM)さんのご両親が、「飼って欲しい」と懇願されて子猫を連れて帰ります。その猫は、家族みんなにかわいがられ、たくさんの思い出を残し、今年の3月に天寿を全うして亡くなりました。あの時、子猫を託してくれた小学生に「優しい心が1匹の猫を救い、家族にたくさんの幸せをくれたことを伝えたい」と、れいれいさんが6月21日にツイートで呼びかけたところ大きな話題になり、「逢えますように」「3人もきっと忘れていないでしょう」と広く拡散されました。この時の呼びかけは「まいどなニュース」でもご紹介しました。
以前から小学生を見つけたいと思っていたれいれいさんは、その猫のことをネット上では「長老」と呼び、本当の名前を公表していませんでした。ネコの名前は、小学生たちがつけた名前そのままだったので、もしも名乗り出てくれたら、本当の名前を知っているかを手がかりにしようと考えていたからです。
そして…ツイートから約2週間後、7月3日に連絡が入ります。
知人から「ツイートは、あなたのことではないか?」と言われたという、3人のうちの唯一の女性からでした。当時「ABCのしーちゃんにして!」と頼んだ「しーちゃん」という本当の名前は覚えていませんでしたが、小学生の頃の写真も送ってもらいご両親が確認しました。れいれいさんが見つかったことを、お礼とともにツイートで報告すると「すごいすごい!!長老がつないでくれた奇跡だ!」「いやぁ~凄い!!(。>﹏<。) かなり感動だわ…(泣)れいれいさん、良かったね~」とたくさんのコメントが集まりました。れいれいさんに聞きました。
──見つかって、ご両親もさぞ喜ばれたことでしょう。
もう、びっくりしています。見つかるとは思っていなかったようです。未だに信じられないみたいです。
──念願のお礼の気持ちは、伝えられたのですか?
直接ではないですが、私から伝えました。これからもたくさんの思い出を伝えていけたらと思っています。
──その女性はなんて?
「こちらこそ、当時子どもだった私たちの無理なお願いを聞いてもらって、ありがとうございました」と言っていただきました。両親も当時の子どもたちが必死だったと言っていましたが、やっぱり必死だったようです。
──もうひとつ、小学生とご両親しか知らない事実があったのですね。
はい。しーちゃんには兄妹がいました。色はクロ。今回、「しーちゃんに兄妹がいて、クロだった」という当事者しか知らない情報が確認できたので、決定打になりました。
──そのクロちゃんは、どうしたのでしょうか…?
当時は、ネコの飼育に慣れていなかったことから、両親は1匹だけを連れて帰りました。でも、クロちゃんもそのあと引き取り先が見つかったそうです。長年、クロちゃんも連れてきてあげたら良かったな、どうしてるかなと両親が気にしていたので、知ることができてよかったです。
──そうなんですね! 当時、小学生とのやり取りで、特にご両親が記憶に残っていることはありますか?
別れ際に小学生の1人が 「もう捨てられるなよ!」と言ったことが忘れられないと言っていました。それは子猫に言っているようで、両親に対するメッセージだったんだと思います。両親はそのメッセージを受け取り、しーちゃんを終生大切にかわいがりました。
──本当に、よかったですね。
実家に帰っても、しーちゃんがいないのはやっぱりさみしいし、悲しいけれど、亡くなってなお、たくさんの人の優しさに触れさせてくれて、21年半越しの縁を再びつないでくれて、今でも一緒にいてくれるんだなって思いました。両親もしーちゃんがいなくなって、私以上にさみしがっていましたが、今回の話を喜んでくれたので本当によかったです。