“事件”は学生たちのいないキャンパス内で起きた。
1匹の猫が高さ約10メートルの鉄柱に登ったまま降りられなくなった。大鳴きする猫を専門業者が無事救出までの様子を近畿大学(@kinkidaigakuPR)が29日、Twitterに連続投稿した。ネット上では、この“実況ツイート”が注目され、いいね数がぐんぐん伸びた。
近畿大学の公式ツイッターは「事件が起こりました」と短く一言で、鉄柱の頂上で座る猫の写真とともに“一報”を投稿。その後は連続で、救出されて無事飼い主の腕に抱かれるまでの一部始終を“実況”した。
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場所は本学クラブセンターグラウンド南側、附属高校グラウンドの鉄柱。「鉄柱にネコが登って、降りられないようだ」と通報を受けました
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ただ君を救いたい。必死の説得を行いつつ、レスキューを待つ
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降りたいネコ…漂う緊張感。
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あと少し、どうかそこで待って。
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絶対に君を助ける。
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もう、大丈夫だよ。
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安心しておいで。
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無事、現場へ駆けつけられた、ご近所の飼い主さんのもとへ…。お名前はオラちゃんだそう。おかえりなさい、オラちゃん。
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飼い主さんご一家によると、オラちゃんは網戸を破って外出してしまったようで、網戸を全部張り替えますとのこと。本当に無事でよかったと、飼い主さんの子どもたちも安堵。無事守られた、大切な命。オラちゃん、これからも家族みんなにたくさん愛されてください。
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この感動の救出劇に「一連のツイートを拝見しまして、とても心暖かい気持ちになりました。猫ちゃんが無事に救出されて本当に良かったです」「助かって何より。救助に当たって下さった方々、本当にありがとうございます」「助けてくださってありがとう。ケガもなく、無事飼い主さんとこに帰れて本当によかった」と感謝のリプライが多数寄せられていた。
投稿した近畿大学広報室の村尾友寛さんに“実況”しきれなかった緊迫した現場の様子を聞いた。
――猫は何時間ぐらい鉄柱の上にいたのですか
「午前10時に通報があったので、その前から登っていたと思います。救出されたのが午後1時ぐらいだったので、4時間以上は上にいたと思います」
――その間、猫はどんな様子でした?
「何度も降りようとしていました。でも降りようにも降りられず、落ちそうになっていました。大きな声で鳴いていました」
――すんなり救出できたのですか?
「本校と付き合いのある業者に連絡して来てもらいました。ただ電柱に登って猫を降ろそうとしたとき、怖かったのか猫にかみつかれてしまいました。ですので、時間をかけてゆっくりと猫を落ち着かせて、なでることができるようになって袋に入れて、降ろしていました。近所に住んでいる飼い主の方もお見えになっていて、地上ではみんなでタオルを広げて落下したときに備えました」
――無事、救出されてよかったですね
「はい、飼い主さんによると昨日(28日)の夕方から猫の姿が見えなくなっていたそうです」
――近畿大学はいまも休業中ですか?
「前期はオンラインで授業を行っています。本日もガラーンとしたなかで“事件”は起きました。ただ、非常事態宣言が解除されましたので、現在、学校再開に向けて準備しているところです」