コロナ禍の就活…ウェブ面接で注意したいこと3点「少しの準備と心がけが印象を左右する」

鶴野 浩己 鶴野 浩己

企業の7割がウェブ面接を導入

対面での採用面接が難しい中、ウェブ選考を導入する企業が増えている。就職支援会社ジェイック(東京都千代田区)のアンケートによると「ウェブ面接を受けたことがある」「予約している」学生が、3月12日時点で47%だったのに対し、4月24日には74%に増加。また、企業サイドへの4月のアンケートでは、採用面接の一部をオンラインに切り替えた企業が46.3%、説明会から最終面接まですべてをウェブに切り替えた企業が19.4%と、実に7割近くの企業がウェブ面接の導入を進めている。

ジェイックのキャリアコンサルタント、安蒜貴彦さんは「リアルでもウェブでも、面接官が見るポイントは本質的には変わらない。ただ、ウェブ面接に対して準備不足な学生が多いのも事実です」と指摘する。

「ウェブはリアルと違い、面接を受けている環境がそれぞれ違う。一次面接などは印象が合否を大きく左右しますが、そうした環境の違いが、与える印象に差を付けます」。

安蒜さんによると、ウェブ面接で好印象を残すポイントは大きく3つ。それが、「第一印象」「聞く姿勢」「トラブル対応」だ。

目線・照明・声量に注意

まず「第一印象」において意識したいのが、「目線」「部屋の明るさ」「声の大きさ」だ。

「目線」のポイントは、ウェブカメラと目の高さを同じにすること。「見下ろしているようなカメラ目線は印象としては良くない」と安蒜さんは話す。スマホなら、三脚などで高さを合わせよう。

「部屋の明るさ」は、自然光と蛍光灯を最大限に利用して、できるだけ明るい場所で面接を受けること。顔映りが暗いと表情も見えにくく、性格まで暗く見えてしまう可能性がある。

「声の大きさ」は目安として、普段の1.5倍を意識しよう。「自宅だと無意識に声が小さくなる人が多いですが、グループ面接などではっきり大きな声で話す人がいると、どうしてもそこで差が出ます」。

また、小さな声だと面接官が聞き取りづらいので、「聞き返す」というひと手間をかけさせることもある。企業の立場に立てば、そうした配慮ができる人材の方が魅力的なのは言うまでもない。

うなづきの効果

2つ目の「聞く姿勢」のポイントは「うなづき」と「相槌」だ。

Zoomなどの場合は、面接官が話しているときはミュートにするよう指示されるケースもあるが、「うなづき」の動きはしっかりと見えている。「大きく首を動かしながら聞いてくれていると、『伝わっているな』と面接官もうれしくなります」。

この「うなづき」とセットで「なるほど」「はい」などの相槌を加えれば、面接官は安心して、テンポよく面接を進めていけるのだ。

トラブル対応でピンチをチャンスに!

最後の「トラブル対応」は、主に通信トラブル時の対応力だ。面接中に回線が途切れてしまった場合などに、迅速に企業の緊急連絡先に連絡を入れられれば、その対応力が逆に好印象を与えることもある。緊急連絡先を事前に伝えられなかった場合は、「不具合が起きた場合の緊急連絡先などございましたらご教示いただけますと幸いです」などと連絡し、忘れずに入手しておこう。

また、ウェブ上で面接官の声が聞き取れなかった場合は、まず通信の不具合があったことを伝え、「もう一度お話ししていただいてよろしいですか?」と二度聞きを。「質問内容などが聞き取れなかったときに、聞き返すことを失礼だと思って憶測で回答する人がいますが、もし答えがズレていたら『質問の意図を理解できていない』と思われて損をします。通信の不具合を相手に知らせる意味でも、聞き返したほうが親切です」。

そのほか、通信トラブル等で一時退出する際には、チャット機能があればぜひ利用を。「通信の不具合があるので一度退出後、再度入室させていただきます」の一言があるだけで、配慮やマナーといった土台ができている人材という印象を与えられる。

今後も広がるウェブ選考

安蒜さんは今後、「ウェブ選考は一つのメジャーになる」と予測する。「ウェブ選考はリアル面接よりも利便性が高い。ただ、ポテンシャル採用の新卒の場合は、『最終面接だけはリアル』という形も残ると考えます。とはいえ、最終面接まで残るには、一次、二次面接で『この人に会いたい』と思わせなければならない。ウェブ面接は準備と意識が大きな差を生むので、画面に映る情報すべてが印象を左右すると考え、できることから取り組んでいってほしいですね」。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース