新型コロナウイルスは多方面に影響を及ぼし、スポーツ界では女子プロゴルフが無観客試合を初めて行い、各地のマラソン大会も一般ランナーの参加を取りやめたり、中止するなど対応に追われている。そんな中、ウイルス対策としてプロ野球のキャンプ地などで注目を集めているのが「オゾン脱臭機 エアバスター」だ。一体、どんな代物なのか。
新型コロナウイルスは世界的に拡大傾向。早く収束してほしいが、まだまだ予断は許さない状況だ。恐れおののく必要はないのだろうが、過小評価するのはもっとよくない。実際、どこまで怖いウイルスなのか。
もちろん、新型コロナウイルスの正体が分からない状況では慎重にならざるを得ないのは当然。プロ野球の各球団も迅速に対応し、キャンプ地の球場や宿舎、ロッカー、トレーニングルームや食堂などに防疫としてオゾンの力で除菌する装置を設置。さらに手洗いやうがいも徹底し、予防に全力を注いでいる。
注目を集めているこの商品は「エアバスター オゾン脱臭機」(税抜き19万2000円)という名称で東大阪市のメーカー「タムラテコ」が製造し、大阪市中央区の「三友商事」と警備会社大手「ALSOK」が販売に携わっている。
仕組みはオゾン(O3)が酸素(O2)になる際に微生物などを酸化させる性質を利用したものだ。オゾンは塩素の約6倍の殺菌力があるとされ、この装置でオゾンを発生。自然に酸素に戻る際に菌、ウイルス、臭いを酸化、分解する。これにより「脱臭効果」はもちろん菌やウイルスの「感染症予防」が期待できるというわけだ。原料が空気のため、薬剤のように補充や管理が不要でコストが安価という利点がある。
サイズは幅195mm×高さ211mm、奥行き134.5mmと小型で1100グラムと軽量。部屋の広さに応じてオゾン濃度が調整でき、またタイマー式と連続式の切り替えができることから業務用としても家庭用としても活用可能で、これまでは特に介護施設で重宝されていた。
現在、プロ野球では阪神、中日、ヤクルトに加え、ロッテも導入を検討。キャンプ地に設置したものを撤去し、1軍のロッカールームやクラブハウス、2軍施設に運ぶ作業を進めている。
三友商事の南真一さんは「小型ですが、この1台で50畳分をカバーする力がある。プロ野球の他にもスポーツ関係から問い合わせが来ていますし、保育園、病院、老人ホーム、コンサートホールにも設置しました。注文が相次ぎ、生産が追いつかない状況です」と話した。
備えあれば、憂いなし。1日も早い収束を願うばかりだ。