スズメのモフモフ・冬物ファッションショーに癒やされる…毛羽立った姿がドレスやコートで着飾ってるみたい

川上 隆宏 川上 隆宏

暖冬といいながら、寒い日々が続いています。そんな中、もふもふに膨れたスズメの写真がTwitterに投稿され、人々の心を癒やしています。寒いと鳥が毛を毛羽立てて膨れるのはよく知られていますが、写真の中のスズメは足元にかけて毛が広がって、まるでフリフリのドレスや、おしゃれなコートを着ているみたい。身の回りのスズメさんたちって、よく見ればこんなにキュートでドレッシーな素振りを見せてくれるのですね…真冬の大発見です。

紹介しているのは、スズメの写真を撮影している写真家・中野さとる(@aerial2009)さんです。TwitterなどのSNSにかわいらしい様子を連日投稿していますが、モフモフに膨れた様子を「チュンコレスーパーモデル キマった〜」「モフモフファッションショー」などのコメントとともにツイート。どことなくカメラ目線でポーズを決めたような素振りに、「ゴージャス」「みんなバレエのチュチュを着てるみたいでかわいいです」「スカートめくれちゅん」といったコメントも寄せられています。

どのようにこんなスズメたちを撮影しているのか、中野さんにお話をお聞きしました。

―どこで撮影されていますか。

「自宅の近くの公園で撮影しています。その公園には木々が多く、小川や花壇が作られていて、スズメが好む水浴びや砂浴びができる環境があります。私がスズメを撮る以前からスズメの群れがよく集まっていました」

―スズメたちが本当に生き生きしていて、カメラに心を許しているような印象を受けます。

「公園には、弁当の残りなど食べものをくれる人もいるので、とても人に慣れています。ですので、スズメには1mぐらいまでは近づけます。さらにベストな大きさで撮りたいので、撮影にはズームレンズを使用しています。55-300mmのレンズを使ってます。集団全体も取れますし個々を大きくも撮れますからとても便利です」

― スズメを撮影されるようになったきっかけは。

「撮影を始めたのは2013年ごろです。とにかく写真が上手になりたくていろいろ撮っているうちに、たまたま今も行っている公園で見つけたスズメの群れを撮ってみたんです。すると、スズメの魅力に引き込まれてしまいました。スズメたちはまるで『スズメ劇場』のように毎日いろんなドラマを見せてくれますからね」

―「スズメ劇場」…ですか?

「スズメは性格もいろいろあり、怒ったり笑ったり怖がったりいろんな表情を見せてくれます。1羽でいてもかわいいですけど、集団で生きてる鳥ですから仲間同士でユーモラスなドラマが巻き起こるところがまたとてもかわいいと思います。まるで人間社会の縮図のように会話が聞こえてくるのです。そんなシーンを少しでも多く切り取りたくて今も公園に通って撮影しています」

―なるほど…。今はちょうど冬なので、寒さの中で膨れているスズメさんたちに目を奪われますが、中野さんが一番オススメのかわいい姿や仕草はどのようなものですか。

「砂浴び、水浴び、羽繕い、首傾げ、小走り、スサー(羽の伸び運動)、居眠り…たくさんありますが、一番お気に入りはやっぱい『小競り合い』ですね」

―えっ、なんか意外です…。それはやはり…そこにドラマがあるからでしょうか…。

「スズメは自分のパーソナルスペースに踏み込まれると怒ってクチバシで威嚇します。何気なく近寄ってしまったがばっかりに、つつかれた方はびっくりしてのけぞったりするのですけど、その様子がとてもユーモラスです。柵に止まってる子にどこからともなく別の子が飛んできて上から足でドン!って両足蹴りをしたりすることもありますが、そんなイタズラがいちいちかわいらしいんですよ。見てると本当に飽きません」

   ◇   ◇

中野さとるさんはツイートやブログの中で、スズメたちのことをよく「チュン次郎」と呼んでいます。特に、近くまでやって来るような特徴あるスズメの顔は覚えていて、個別の名前を付けているそう。「例えば頭の形がアイスのピノに似てるのでピノくんとか…。ただ、長く観察していると世代交代していくので、お別れもありますね。群れを離れたりして見かけなくなる子もいると、ちょっと寂しいです」…。

厳しい冬はまもなく終わり。「冬物ファッションショー」で着飾らないといけない日々もきっとあと少しです。多くの鳥たちが無事に過ごせますように。

   ◇   ◇

「スズメの会話が聞こえてきそうな写真を撮りたい」という中野さとるさん。2月15日に新刊写真集「スズメからの贈り物」が発売予定です。スズメの愛らしさにもっと癒やされたい方は注目です!

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