消費税の税率が10%に上がり、1カ月がたとうとしている。消費増税に伴い、来年6月まで登録店ではキャッシュレス決済によるポイント還元制度も始まり、街中では、スマートフォンを片手に買い物する客たちが多く見られるようになった。キャッシュレスに不慣れな高齢者からは「よく分からない」との不満も漏れる中、普段の暮らしで現金を使わずにどれだけ生活でき、どの程度メリットが出てくるのか。記者が1週間、キャッシュレス生活を体験してみた。
キャッシュレス生活で1週間を過ごすため、楽天カード(JCB)とヤフーカード(マスターカード)、ANAカード(VISA)を用意した。スマートフォンにはPayPay(ペイペイ)と楽天ペイを入れ、ポイント二重取りのためにヤフーカードと楽天カードをひも付けた。移動は交通系ICカード「ピタパ」。不測の事態に備え、財布に千円札を1枚しのばせて臨んだ。
「5%」と「2%」が混在 日々の積み重ね大きく
【1日目】午前1時過ぎ、出稿を終えて帰宅途中、ポイント還元店のローソンで缶チューハイと缶詰を楽天ペイで購入。ポイント還元店は「5%還元」か「2%還元」のマークが貼ってあるか確認が必要だ。
コンビニのフランチャイズチェーンは2%還元だが、楽天ペイで払うと独自キャンペーン(要エントリー)で5%ポイント還元される。酒類の缶チューハイは税率10%、食料品の缶詰は軽減税率8%とレシートに表示され、増税を実感。ローソンでは来店でポイントがもらえる「楽天チェック」のアプリを使い、レジでもローソンのPontaポイントを獲得する。
京都市伏見区で取材のため、早朝からポイント還元店ではない「すき家」で朝食。牛丼並は店内・持ち帰りとも350円で統一され、店内で楽天カードで支払った。牛丼チェーンでは吉野家とすき家、松屋はキャッシュレス対応だが、なか卯は現金払いとなっている。
昼食は、ポイント還元店を地図表示する経済産業省のアプリで探す。下京区の5%還元の中華料理店ではランチを40円値上げしていたが、ヤフーカードとひも付けたペイペイやペイペイ残高で払うと、1・5%の残高付与となる。5%のキャッシュレス還元と合わせると値上げ分は吸収できた。隣に座った男性会社員は「毎日の5%は大きい。周囲にあればやはりポイント還元店を選ぶ」と話していた。