川に子羊を投げ入れて洗う!?…実はモンゴルの牧畜民の深い「羊愛」だった

広畑 千春 広畑 千春

 えっ!羊が飛んでる?! えっ!下は川だけど、どうなるの、この子!

 先日、モンゴルで川に投げ入れられて洗われる羊の写真がツイッターに投稿され、話題を集めています。でも、実はこの洗い方には羊とともに生きる人々の、深い深い愛情が込められていたのです。

 投稿は、モンゴルに住むカザフ人の装飾文化(刺繍・織り物など)の研究をしている廣田千恵子(@Chieko_KECTE )さんのもの。廣田さんは2009年に1年間モンゴルに語学留学して以来、毎年モンゴルを訪れ、そこで見た雄大な自然や人々の暮らしなどをツイートしています。今もモンゴルに滞在中で、写真を投稿するや否や、「ほんまに投げとる!」「吹き出してしまった」など、8千件以上のリツイートや1万8千件以上の「いいね」を集めています。

 ―実際はどういう状況だったのでしょう?

 「モンゴルの最西端に位置するバヤン・ウルギー県に住むカザフ牧畜民家庭で撮影したものです。今年生まれた子羊ばかり98頭の群れを洗うということで、10~15mほどの川に次々と投げ入れていました」

 ―なかなか衝撃的な光景ですが。

 「ええ。最初に見たのは2014年に調査に行ったときで、驚きました。3年前、動物の話題で何の気なしにこの洗い方を写真付きでツイッターで紹介したところ、『ひどい』『虐待だ』と、お叱りや批判、誤解も受けました。でも、彼ら牧畜民は、家畜を虐待してるわけではなく、きちんと状況を判断して、一連の行動をおこなっているんです」

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