そんな盛り上がりの一方で、「既存メディアにしか接しない多数の層には存在を知られていない」という指摘もある。そのギャップは大きい。
19日夜、JR新橋駅前のSL広場で行われた候補者10人による演説会では、老若男女の聴衆がびっしりと広場を埋め尽くした。ミュージシャンで俳優・うじきつよし、結成30年のビッグバンド「渋さ知らズ」の有志メンバーも演奏し、「(世の中が変わらないと)あきらめちゃダメ」と投票を呼び掛けた。夏フェスのような熱気の中、小学生時代に遭遇した故・田中角栄氏の街頭演説が遠い記憶の中からよみがえった。
キー局のカメラも並んだが、ドキュメンタリー映画監督の森達也氏は壇上から「いつ放送するんですか?選挙が終わってからですか?」と問いかけた。閉会後、聴衆から「お願いします」という声と共に局名がコールされる一幕も。その様子はSNSに続々と投稿された。
会場のカンパ箱の前にも聴衆が詰めかけた。話を聞くと、既存の野党だけでなく、自民党の支持者だった人もいた。山本代表は「2日前までに3億7000万円のご寄付をいただきました」と明かした。比例区で得票率2%以上を獲得すれば、同代表が掲げる「組織票も団体の票もない、市民の力で初めてできた公の政党」となり、既存メディアでも報じられる。
SNSの力が国政に影響を及ぼすか。まだ、壁は高いのか。その試金石となる選挙でもある。