年末が押し迫ってくると気になってくる「ふるさと納税」。お気に入りの返礼品があったり、応援したい自治体に寄付することが多いなか、旅行に出かけた際に飲食や宿泊などに使える電子コインを現地で手に入れられる「旅先納税」という制度がスタートし、にわかに注目を集めている。
■出先で寄付する「旅先納税」とは?
この制度は、旅行先で気に入った市町村に寄付するという「ふるさと納税」の本来の意義と、寄付した一部を現地の支払いに利用できるという便利さを兼ねそなえたもの。
計画を立てている訪問先、もしくはいま訪れている土地で導入しているか「旅先納税」公式サイトで検索し、対応していれば寄付ページでユーザー登録すれば、どこにいてもスマホで電子コインを発行することができるのだ。
■京都北部の7市町で使える電子コインが返礼品に
なかでも、11月7日に導入されたばかりの京都北部「海の京都」エリアでは、福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市の5市と、伊根町、与謝野町の2町で利用可。
全国でも初めて7市町をまたいで使える電子コイン「海の京都コイン」を発行しており、いずれかの市町に寄付することで同エリアにある観光スポットでの食事やアクティビティなどを同コインで支払える。なにより、1円単位で使えるのは、ほかのふるさと納税にはない便利さだ。
■スマホから「海の京都コイン」をゲット
では、海の京都エリアの旅を想定して、旅行準備の手順と観光プランを考えてみましょう。まず寄付サイト『海の京都コイン』(運営:海の京都DMO)を表示し、寄付したい自治体を選択。説明に従って会員登録して「旅先納税ID」を取得すれば、寄附金額を選択する画面へ遷移します。ここまでに入力するのは名前や連絡先などの基本情報のみ。
さらに寄付金の使い道を選択し、クレジットカード情報を入力すれば完了。サイト内に「お礼の品」として受け取った「海の京都コイン」が表示されていれば、無事に電子コインをゲットできています。
■いよいよ「海の京都」エリアへ
大阪から車や電車で2時間半ほどで日本海に到着。ここでしか見られない風景としては、名所「天橋立」(宮津市)を海上から楽しむ「天橋立観光船」と、舟屋群に囲まれた情緒ある景観をゆったり眺める「伊根湾めぐり遊覧船」(伊根町)は外せません。
前者は天橋立の松並木でつながる両岸を片道12分で結び、後者は伊根湾を約25分で周遊する船上観光で、どちらもカモメのエサやりが楽しみのひとつ。これら乗船券に、2拠点を結ぶバスの乗り放題券がついたフリーパスも販売されていて、お得に巡れますよ。
そして、日本海で獲れた海の幸を満喫できる温泉地へ。このエリアには天橋立温泉、宮津温泉、間人温泉、夕日ヶ浦温泉、奥伊根温泉など、多くの温泉地がひしめき合っていて、どこも美しい景色とおいしい料理でもてなしてくれるので、目移りしてしまいます。
例えば、伊根から車で30分ほどの「宇川温泉」(京丹後市)や、天橋立から車で50分〜1時間で行ける「夕日ヶ浦温泉」(京丹後市)「あやべ温泉」(綾部市)には、「海の京都コイン」が利用できる宿泊施設が点在しています。
このほかにも伝統工芸体験や滝行体験をはじめ、ほっこりと休憩できるカフェなど、隣接する舞鶴市や福知山市、与謝野町にも同コインを使えるスポットはたくさん。レンタサイクルやレンタカーにも使えるので、現地まで電車で訪れても便利に観光できます。どんな旅行プランにするか、ワクワクしますね。
この制度は「ふるさと納税」の一環のため、寄付額相当(2000円を除く)が所得税と住民税から控除されるもの。返礼品が寄附金額30%のコインとして発行され、その分がお得に旅行を楽しめる。なお年収によって控除される上限は異なるため、利用限度額については注意が必要。
提供:京都府観光連盟