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「65歳で年金生活になったら生活保護は打ち切り?」医療費が月5万円かかる女性 支援を続けてもらえるのか【社会福祉士が解説】

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地方都市の賃貸アパートで一人暮らしをしている64歳の高田かずこさん(仮名)は現在、生活保護を受給しています。高田さんにはいくつか持病があり、複数の医療機関に定期的に通っています。治療にかかる医療費は月5万円ほどですが、現在は医療扶助によって賄われているため、窓口での自己負担はありません。

来年には65歳になり、月に12万円ほどの老齢年金を受け取る予定ですが、同時に「生活保護が打ち切られてしまうのではないか」という強い不安を感じています。もし生活保護がなくなってしまえば、医療費や家賃などを老齢年金だけで払い続けられるのかと、途方に暮れています。高齢になって収入や医療費のバランスが変わるなか、生活保護はどのように扱われるのでしょうか。また、どのような支援が続けられるのでしょうか。

年金を受け取ると生活保護はすぐに打ち切られるの?

生活保護の制度では、自分の資産や働く能力、そして年金などのほかの制度から受け取れる給付を優先して活用することが原則となっています。そのため、65歳になって老齢年金をもらえるようになると、そのお金は「収入」として計算されます。

しかし、年金を受け取り始めたからといって、生活保護が自動的にすぐ打ち切られるわけではありません。生活保護が必要かどうかは、国が定める基準である最低生活費と、年金などの実際の収入を比べて判断します。最低生活費の金額は、住んでいる地域や世帯の人数、年齢などによって異なり、食費や光熱費だけでなく、家賃や必要な経費なども含めて計算されます。そのため、年金を受け取るようになっても、国の基準に基づいて算定した最低生活費が収入を上回る場合には、生活保護が継続されることがあります。

医療費の負担が心配なときは、ケースワーカーに相談を

高田さんのように持病があり、毎月5万円ほどの医療費がかかる場合、生活保護が終了すると、医療費の自己負担が新たに発生することが心配になります。生活保護を受けている間は、医療費の自己負担は原則ありませんが、生活保護が終了すると、公的医療保険に加入し、医療費の一部を自己負担することになります。65歳の場合、自己負担割合は原則3割です。

福祉事務所では、老齢年金の金額だけではなく、国の基準に基づく生活費や家賃、必要な医療費などを確認し、生活保護を継続する必要があるかどうかを判断します。福祉事務所の担当ケースワーカーに、年金の見込額や現在の医療費、家賃などを具体的に伝えることが大切です。

あらかじめ相談しておけば、老齢年金を受け取り始めたあとの生活費や、医療費の見通しを立てることができます。年金収入が最低生活費に満たない場合は、不足分について生活保護を受けられる可能性があります。また、年金収入で日常の生活費を賄える場合でも、収入や必要な医療費などを踏まえ、医療扶助のみを受けられる場合もあります。ただし、その場合は収入などに応じて、医療費の一部を本人が負担することもあります。今後の生活を守るために、どのような手続きが必要になるかを事前に確認しておきましょう。

   ◇   ◇

高田さんは、福祉事務所の担当ケースワーカーに老齢年金の見込額や医療費、家賃を正確に伝え、65歳からの生活について詳しく相談しました。その結果、年金受給後も生活保護が継続される場合があることや、医療扶助の対象になるかどうかは、収入や必要な医療費などを踏まえて判断されることについて説明を受けました。これによって、今後確認すべきことや必要な手続きが分かり、65歳以降の生活に向けて準備を進められるようになりました。

【監修】勝水健吾(かつみず・けんご)社会福祉士、産業カウンセラー、理学療法士。身体障がい者(HIV感染症)、精神障がい者(双極症Ⅱ型)、セクシャルマイノリティ(ゲイ)の当事者。現在はオンラインカウンセリングサービスを提供する「勇者の部屋」代表。

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