女性落語家・桂あやめ、モノマネ芸人・めぐまりこを中心に、三味線奏者で女道楽の内海英華、曲芸師・こっこ、お笑い芸人のヴァチスト太田、ツジカオルコ、足芸師・暁あんこらによって2カ月に1回開催されてきた「女芸人キャバレーナイト」。
ウィットに富んだ時事ネタや下ネタ、普段の舞台では見られない趣向を凝らしたコスプレネタで、コアすぎる支持を集めてきたあのイベントがこの11月に、ついに最終回を迎える。
今回は、長年イベントを牽引してきた桂あやめと内海英華、めぐまりこに「女芸人キャバレーナイト」のこと、そのイベントから生まれた女性音曲漫才トリオ「オジョウサンズ」について話を聞いた。
――「女芸人キャバレーナイト」が生まれたきっかけとは?
桂あやめ(以下あやめ): 落語って基本的に一方的な芸なんです。お客さんに前を向いて聞いてもらって、こっちが一方的にやる。キャッチボールはあんまりなくて。だから、終わってからおしゃべりしたり、お客さんの顔を見ながら声を掛けたりするようなことができないかなと思ってたんですよね。
で、ある年のハロウィンで、めぐまりこらと友人のお店で「ハロウィンナイト」というイベントをやってみたんです。それぞれ10分ぐらいのネタをポンポンとやって、終わったらコスプレしてくれたお客さんと一緒に飲むという。それがめちゃくちゃ楽しかったんですよ。その時に「こんなんええな、毎月できひんかな」となって始まったのがきっかけです。
内海英華(以下・英華):当初は千日前にあったレジャービル「味園」の中にあった「紅鶴」というお店で始めたんですが、場所も狭くてクーラーが効かんから「もうホットフラッシュで無理!」ってなって(笑)。
あやめ:で、縁あって兎我野町にある「do with cafe」でやらせてもらうようになって、トータルで15年です。
めぐまりこ(以下・まりこ):「こんなネタをやってみたいな」「これをネタにしよ!」とかワイワイ言ってるうちにそんだけ月日が経って。ほんまに早かったです。踊って歌ってネタを2本をして、終演後は客席を回って来てくださった方々とお話しできる。そんな理想のプログラムが、回を重ねるごとに確立されてね。
英華: 初めのころはあやめちゃんに「普通に三味線弾いて、芸の女道楽をしてくれてはったらいいですから」って言われて出てみたら、「キャバレースタイルとして、オープニングはダンスを踊ります」って(笑)。そこからとんでもないこといっぱいさせられたりしてるうちに、だんだん楽しくなって、自分も普段絶対やらないようなことを、この「女芸人キャバレーナイト」ではやってきました。
――振り返ってみて、印象に残っている回やネタはありますか?
あやめ: 「ベルサイユのばら」のパロディネタをやったのは、今思い出しても強烈でしたね(笑)。英華姉さんがフェルゼン役で、最後はマリー・アントワネットとおじいちゃんとおばあちゃんになって逃げ延びるっていうもので(笑)。そういうことをやってから、もう吹っ切れて何でもできるようになりました。
まりこ:モノマネ芸人としてもいろいろな人を挑戦できて、松田聖子ちゃんものでさまざまなバリエーションができたのも、ここならではでした。
英華:私は普段、絶対に着ないような衣装をあやめちゃんに用意されて、恥ずかしいという思いを持つ前に着さされて舞台に立つ。それで度胸だけは付きました(笑)。
あやめ:それと時事ネタも、めちゃくちゃやりましたね。世の中を騒がせた芸能や政治、事件モノのネタを、その日限りの、そこに来られた方たちだけのために披露してました。お客さんも「おとといテレビとかで放送されてたこと、さすがにネタにせえへんやろなと思ってたら、すぐパロディにしてやってたからびっくりしたわ」って言われたり、期待されたりしてたので、それに応えるのも楽しかったですね。
――この11月で終了するのは?
あやめ:いちばんはメンバーの高齢化(笑)。昔のキャバレーナイトの写真を見たら、やっぱり今よりも「あ、きれいやな」と思うこともあるし、やはり肉体的にも抗えないことも多々あって(笑)。
まりこ:2カ月に1回って、思えばハードなスケジュールのイベントでした。振り返れば芸人として成長させてくれましたけど、そのハードさが年齢に伴って応えてきたのもひとつ(笑)。
あやめ:そんなことで、とりあえずいったんええ区切りのところで終わらせていただこうかなと。ありがたくも11月の最終公演は完売したんですが、またいつか違う形でやれたらええなとは、また日が経つと思うんでしょうね。
――そんな「女芸人キャバレーナイト」から生まれたのが桂あやめさん、内海英華さん、めぐまりこさんの音曲漫才ユニット「オジョウサンズ」でした。
あやめ:昔、ジョウサンズという音曲漫才トリオがいてはったんですけど、リスペクトして名付けたトリオです。メンバーの中にお亡くなりになられた桂枝雀師匠の奥さんがいらして、この名前を付ける時にご挨拶に伺い、許諾していただきました。
まりこ:「女芸人キャバレーナイト」でいろんなネタをやってきましたけど、このトリオネタがいちばん当たりましたね。あやめ姉さんがアコーディオン、英華姉さんが三味線、私がウクレレ担当です。それが、まさかCDデビューできるとは思いませんでした。
あやめ: 落語家で集まってやったホーンバンドがあって、それで一度CDを出したことがありました。そのこともきっかけと弾みになって、オジョウサンズでも出そうかとなったんです。作詞は私が担当させていただき、ザ・ピーナッツの『ふりむかないで』をイメージした『ふりむいてオジョウサン』と、女芸人のリアルな一人旅を描いた『もみほぐしてよ女旅』の2曲が形になりました。
ありがたいことにiTunesで上位に入ったり、カラオケのJOYSOUNDにも配信されたんで、年末年始の宴会シーズンでも歌ってもらえたらなぁと。そのためには今後はミュージックビデオも作って、さらにいろんなところで歌っていきたいです。
英華:昔はジョウサンズやかしまし娘、ちゃっきり娘、フラワーショウとかいはりましたけど、今、女性音曲漫才トリオって現役ではいないんです、それだけにオジョウサンズとして音曲漫才トリオを復活させていきたいとも思っています。
【関連情報】
桂あやめ公式サイト
https://www.katsura-ayame.com/
内海英華公式サイト
https://www.eikadegozaimasu0617.com/
めぐまりこインスタグラム
https://www.instagram.com/megumariko/