箱を開けた瞬間、思わず静かに蓋を閉めた――。
デンマークにあるレゴ社の展示施設「レゴハウス」での1年間の展示を終え、日本へ返送されてきた約4000ピースの巨大なレゴ製ゴジラ。届いた箱を開けると、そこにあったのは、崩れ落ちたゴジラの姿でした。
「これは-0.0仕様に一から作り直せということでよろしいでしょうか?」
そんな一文とともに9月29日にX(旧ツイッター)へ投稿された写真に、国内外から反響が寄せられています。
『ゴジラ-0.0(マイナスゼロ)』は、2023年に公開された映画『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』の続編として、2026年11月3日に公開される最新作。原形をとどめない姿になった自作を前に、次回作のタイトルにかけた一言でした。
投稿したのは、レゴ社が認定する「レゴ®︎認定プロビルダー」(レゴ作品の制作を仕事にするプロ)のアシスタントとして活動する23歳のDeRaさん(@deraLEGO)。崩れてしまったゴジラの姿について話を伺いました。
世界で約15名に選出! 制作1年・約4000ピースのゴジラ
DeRaさんが本格的にレゴを始めたのは6歳のとき。高校2年生から作品をSNSに投稿してきました。その積み重ねが評価され、世界中のレゴビルダーから約15名が選ばれる「Masterpiece Gallery(マスターピース・ギャラリー)」に選出。昨年から1年間、デンマークのレゴハウスで自身の作品が展示されることになりました。
展示したのはトラ、クジャク、ゴジラの3作品。中でもゴジラは、制作期間1年、総パーツ数約4000ピースをかけた1体です。
パーツの継ぎ目や可動部分が分からないほど自然な造形美が、DeRaさんのこだわりのひとつ。運搬のために主に可動部で分割できる作りになっていますが、どこをどう外せばいいのかは「私にしかわからないようになっています」とのことです。
デンマークへ送った際は無傷で展示会場に届きました。9月末に1年間の展示期間を終え、DeRaさんは作品が戻った後に国内の展示イベントへ出展することを楽しみにしていたといいます。
箱を開けて「そっ閉じ」…同情の声に「驚きました」
ところが届いた箱を開けると、ばらばらに崩れたゴジラの姿が。
「デンマークへ送る前に少し改修していたので、もし壊れていてもある程度は補修できるだろうと思っていました。でも、簡単には直せないほどの状態になっていて少し残念でした」
そのとき最初に取った行動を尋ねると、返ってきたのはひと言でした。
「そっ閉じしました」
一方で、気持ちはすぐに前を向いたといいます。
「これで心置きなく一からより良い作品に生まれ変わらせることができる、と前向きではありました」
「全壊しちゃったから、これからもっと良いの作るね」。そんな意図を込めた投稿でしたが、集まったのは同情の声でした。
「ゴジラがバラバラで帰ってきたの切ない…でも『-0.0仕様に作り直せ』って発想が優しすぎて笑いました。1年間お疲れ様でした」「ゴジラを再構築するのに必要な忍耐の量は、想像を絶するものに違いありません」
「まさか海神作戦(わだつみさくせん)の再現までもされるとは」「途中でオキシジェン・デストロイヤーが当たったんですねー」といった声も並びました。
海神(わだつみ)作戦は映画『ゴジラ-1.0』でゴジラを倒すために実行された作戦、オキシジェン・デストロイヤーは1954年の映画『ゴジラ』に登場した科学兵器です。
「ほとんどが同情の反応だったので驚きました。『海神作戦の再現だ』という反応には笑わせてもらいました」
壊れたゴジラはそのまま残し、ほとんど欠損のない脚は再利用することも検討しながら、別に一から作り直す計画だといいます。
DeRaさんが次にどんなゴジラを生み出すのか、楽しみに待ちたいですね。