「育休を取りやすい会社なら安心」と思っていても、実際に育休を取得してみると、職場の理解や復職後のキャリア、子育てとの両立など、別の悩みに直面するケースもあるようです。BEFFY株式会社(東京都渋谷区)が運営するベビーグッズの口コミサイト『Babiew(べビュー)』が実施した「産休・育休の実態」に関するアンケート調査によると、約9割が「産休・育休中に仕事と家庭の両立に不安を感じたことがある」と回答したことがわかりました。
調査は、同サイト会員を中心とした妊娠期〜育児期のママ・パパ201人を対象として、2026年9月にインターネットで実施されました。
調査の結果、「産休・育休取得中に、仕事と家庭の両立に不安を感じたことがある」と答えた人は90.7%にのぼり、多くの人が、新たな家族を迎える喜びと同時に、キャリアや家庭運営に対する大きなプレッシャーを抱えていることが明らかとなりました。
また、自身の職場について、「育休を取得しやすい環境だと思う」とした人は83.1%にのぼり、制度そのものや取得のハードルは一定程度下がりつつあることがうかがえます。
しかし、その一方で「上司・職場の育休理解がある」と答えた人は41.8%にとどまり、職場が真の意味で寄り添えているかには疑問符がつきます。
実際に集まったパパママのリアルな声では、「復職後は部署が変わることを宣言されている。復職で慣れない部署になるよりは同じ部署にしてほしい」「復職後に、『しばらく休んでたんだから』と業務負担を増やされた。復職しても小さい子どもがいるうちは業務負担を減らすなど考慮して欲しかった」といったエピソードが寄せられ、制度は取れるようになったものの、現場のオペレーションや周囲の配慮、心理的安全性にはまだまだ大きな課題が残されていることが浮き彫りとなりました。
復職後に「評価や昇進・キャリアへの影響を感じたことがある」とした人は38.8%。仕事と家庭の両立への不安から、転職を検討・実行したことがある人は44.8%にのぼり、実際に復職した人のうち16.3%が復職後1年以内を中心に退職・転職に至っているという結果になりました。
さらに、両立支援の実態を「就職・転職先を選ぶ判断材料にしたい」と回答した人は94.9%に達し、「働きやすい環境が整っているかどうか」は、企業選びの極めて重要な基準になりつつあります。
パパママともに子育てに携わってもなお過酷な育児。昨今、強い味方として支援が広がる「ベビーシッターサービス」ですが、実態はどうなのでしょうか。
「育休中にベビーシッターサービスを利用したことがある」は13.1%にとどまり、「利用を検討したが、利用しなかった」は16.2%という結果になりました。
利用しなかった理由としては、「費用が高いと感じたため」(64.0%)や「子どもを預けることへの抵抗」(44.9%)に回答が集まりました。
また、国や自治体によるベビーシッター利用料の補助制度についても、「知らない」と答えた人が46.1%と約半数にのぼり、経済的な負担感だけでなく、制度の認知不足も利用のハードルとなっていることが分かりました。
先輩たちからは、「自分が会社で初めての男性育休取得だったが、半年取らせてもらって娘の成長を妻と見ることができてとても良い時間だった」(育休を取得したパパ)、「産前はかなりしっかり働いていて、産後も迷わずしっかり働くものだと考えていました。けれども、出産そして育児を通して、こんなに幸せで貴重な時間があるのかと驚きました」(育休を取得したママ)といった温かくも現実的なアドバイスが寄せられています。
◇ ◇
調査を実施した同社は、「令和7年度雇用均等基本調査によると、日本における男性の育児休業取得率は50.9%と、初めて半数を超えました。一方で、『共育て』を社会全体でさらに推し進め、『孤育て』をなくしていくためには、まだ多くの課題が残されています」と指摘。
そのうえで、「実際に希望する期間の育休を取得できるのか。長期間の育休を取得しても、復職後にそれまでと同じように働き、キャリアアップを目指し続けられる環境があるのか。取得率という数字だけでは見えない、育休の実態にも目を向けていく必要があると考えています」と述べています。