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5年間、散歩も通院もなし…裏庭でひっそり生きた犬 人の姿におびえ心臓バクバク、ご飯も食べず→保護したら、なでる手を受け入れ笑顔に

渡辺 晴子 渡辺 晴子

強い雨に打たれながら、縁側の下に身を潜めていた一匹の犬。散歩へ連れて行ってもらったことも、動物病院を受診したこともなく、約5年間を家の裏庭で過ごしていたといいます。

保護されたのは、推定8歳の雑種犬「光」ちゃん。女の子で、体重は約13キロです。

光ちゃんの姿をInstagramで紹介したのは、「一般社団法人りぼん動物保護団体【公式】」さん(@ribbon_shelter1)。投稿には、「見つけてもらえて本当に良かった」「光ちゃんの本当の犬生の始まりですね」「これからは穏やかに、たくさんの幸せを感じてほしい」など、光ちゃんの幸せを願う声が寄せられました。

「両親が飼っている犬を助けてほしい」遠方に住む娘から連絡

光ちゃんの存在が明らかになったのは、飼育していた夫婦の娘から「両親が飼っている犬を助けてほしい」と、りぼん動物保護団体へ連絡があったことがきっかけでした。

団体によると、光ちゃんは約5年前、父親が保健所から譲り受けてきた犬だったといいます。しかし、怖がって散歩へ行こうとしなかったことから、次第に関わらなくなり、食事を与えるだけの生活になっていったそうです。

団体の担当者が引き取りに向けて初めて自宅を訪れたとき、光ちゃんは裏庭の縁側の下に潜り込んでいました。

「強烈なにおいがありました。雨に打たれ、排泄物のにおいもひどく、光ちゃんは怯えた目をしていました。約5年間、一度も触ったことがないと聞き、もしかしたら噛むかもしれないと思いました」

犬小屋が置かれていたのは、通行人から見えにくい家の裏庭。団体は、「人目につく玄関側で飼われていたら、散歩をしていないことに誰かが気づき、通報していたかもしれません」と話します。

光ちゃんは、人の目に触れにくい場所で、まるで存在を忘れられたかのように暮らしていました。飼育していた家族の話では、散歩だけでなく、動物病院へ連れて行ったこともなかったそうです。

食事もできず、ケージから出られなかった光ちゃん

保護されたばかりの光ちゃんは、ご飯をまったく食べず、ケージから出てくることもできませんでした。心臓は激しく鼓動し、息遣いも荒かったといいます。

それでも、ボランティアたちは焦らずに光ちゃんを見守りました。代わる代わる優しく撫で、穏やかに話しかけながら、人の手や声が怖いものではないと伝え続けたそうです。

光ちゃんのために、蒸したサツマイモや牛肉、ささみを毎日持ってきてくれるボランティアもいました。

そうした日々を重ねて1週間から10日ほどが経過すると、光ちゃんに少しずつ変化が現れます。抱っこでケージの外へ出られるようになり、ボランティアの目の前でも、おいしそうにご飯を食べるようになりました。

何より大きく変わったのは、光ちゃんの表情です。

「ボランティアさんたちが撫でて話しかけていくうちに、笑顔になれました。次第に目の輝きも増してきました。最初は心臓がバクバクして息遣いも荒かったのですが、今では落ち着いて景色を眺めながら過ごせるようになっています」

5年間、ほとんど人と触れ合わずに生きてきた光ちゃん。注がれる愛情を受け止めるように、その表情は少しずつ柔らかくなっています。

「幸せに長生きしてほしい」新しい家族を募集中

光ちゃんは保護後、動物病院で血液検査と避妊手術を受けました。幸い、フィラリアには感染しておらず、現在はワクチン接種へ進める段階まできています。

団体では、光ちゃんを家族として迎えてくれる里親を募集しています。ただし、慣れない場所で逃げてしまうと、遠くまで行ってしまったり、どこかに隠れたりする可能性があるため、十分な脱走防止対策が必要です。

また、朝と夕方にきちんと散歩へ連れて行き、これまで得られなかったさまざまな経験を、光ちゃんと一緒に重ねてくれる家庭を望んでいます。

「光ちゃんには、幸せに長生きしてほしいです。家族として迎えてくださる方は、ぜひご応募ください」

投稿には、「つらくて目を背けたくなるけれど、しっかり受け止めなければならない」「5年間は戻ってこないけれど、これからは幸せをたくさん感じてほしい」「光ちゃん、もう大丈夫だよ」といった声が寄せられました。

人の姿に怯え、食事さえできなかった光ちゃん。今では、優しく撫でてくれる手を受け入れ、穏やかな表情で景色を眺められるようになりました。失われた時間を取り戻すように、光ちゃんの新しい犬生が始まっています。

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