朝の散歩へ出かけようとした飼い主さん。しかし、いつもなら扉の前で待っている愛犬の姿が見当たりません。不思議に思って小屋をのぞくと、そこには思いがけない光景が広がっていました。
「早朝、BARONの所に可愛いご来客」
そんな言葉とともにInstagramへ投稿された動画には、大きな体の看板犬・ボルゾイの「バロン」くんと、そのそばで安心したように過ごす小さな子猫の姿が映っています。
投稿したのは、南房総・館山市の「ら~めん たつみ」の看板犬「BARON(バロン)」くんの日常を発信しているアカウント(@baron.617)。バロンくんは8歳の男の子で、人が大好きな甘えん坊です。
いつもの場所にバロンくんがいない
子猫を発見したのは、午前6時ごろのことでした。
飼い主さんがバロンくんと散歩へ行こうと外に出たものの、いつもなら扉の前で出迎えてくれる姿がありません。
「まだ寝ているのかな」
そう思い、起こさないようにそっと小屋をのぞいてみると、バロンくんのそばに見知らぬ子猫がいました。驚いた飼い主さんは、あわてて携帯電話を取り出し、その様子を撮影し始めたといいます。
普段のバロンくんは、散歩へ行けることが分かると、うれしさのあまり興奮して飛び回るのだそう。しかし、この日は子猫を気遣っているかのように、静かに過ごしていました。
そんなバロンくんの様子を見た飼い主さんも、すぐに近づくことはせず、しばらく静かに子猫を見守ることにしました。
「助けを求めているに違いない」
しばらくたっても動こうとしない子猫を見て、飼い主さんは「助けを求めているに違いない」と感じたそうです。
そこで、犬用のウェットフードを指に乗せ、子猫の顔の前へ差し出しました。
「ニャンニャンと鳴きながら、必死にエサをほおばる姿がとても印象的でした。助けてあげたいと強く思いました」
その後、すぐに子猫を動物病院へ連れて行きました。食事を与えてもらったほか、血液検査や検便、身体検査を受け、ノミ・ダニの駆除剤も使用したといいます。
診察の結果、子猫は生後1~2カ月ほどのオスであることが判明。猫風邪をひいていたため、現在は点眼薬による治療を続けていますが、とても元気に過ごしているそうです。
出会って間もないのに、すっかり仲良し
子猫は野良猫とは思えないほど、人や犬に慣れていました。そのため飼い主さんは、どこかの家から逃げ出した可能性もあると考え、動物病院の待合室からInstagramへ、保護を知らせる動画を投稿しました。
出会ってからわずか1日で、バロンくんと子猫はすっかり仲良しに。保護から3日目に投稿された動画には、もう少し眠っていたいバロンくんに、子猫が無邪気にちょっかいを出す様子も収められています。
飼い主さんによると、子猫は何にでも興味津々。毎日のようにバロンくんへ飛びかかり、全身を使って楽しそうに遊んでいるといいます。
一方のバロンくんは、相手がまだ幼いと分かっているかのように、優しく見守っています。
「私たちも改めて、バロンは普通の犬よりも優しい犬なのだと感じました。2人のほほ笑ましい様子に、こちらまで元気をもらえます」
子猫はドライフードもウェットフードもよく食べ、睡眠もしっかり取れているそうです。
飼い主を探すも見つからず…家族に迎えることに
飼い主さんはSNSで情報を発信するだけでなく、近所の人にも心当たりがないか聞いて回りました。しかし、元の飼い主につながる情報は得られておらず、捨てられた可能性もあると感じているそうです。
9月7日に再び動物病院を受診し、ワクチンを接種。その後、子猫を正式に家族の一員として迎え入れました。
投稿には、「バロンちゃん、優しく見守っていてなんて優しいの」「子猫ちゃんも安心して寝ているのがかわいい」「バロンちゃんの顔より小さいお客さま」「子猫には優しい、すてきなボルゾイ」「ほっこりします」などの声が寄せられました。
ひとりぼっちだった子猫が助けを求めるようにたどり着いたのは、優しい看板犬の小屋でした。体格差を超えて寄り添うふたりの姿は、多くの人の心を温かくしています。