9月28日放送開始のNHK連続テレビ小説「ブラッサム」で小説家宇野千代をモデルとした主人公、葉野珠(はの・たま)役を務める石橋静河。他にも、9月25日に公開されたばかりの映画「ナギダイアリー」にも出演するなど大活躍中。父は石橋凌、母は原田美枝子と、両親ともに俳優である。
名字の「石橋」は文字通り、石の橋に因む地形由来のものである。
今では橋はどこにでもあって珍しくはないが、江戸時代には江戸や大坂、京都、名古屋といった大都市や、東海道などの主要街道を除くと常設されている橋は少なかった。川は渡し船で渡るものだったのだ。
名字の多くが誕生した中世には常設の橋はさらに珍しく、戦などで大軍が渡る際には川に対岸まで船を並べてつなぎ、その上を渡った。これを「舟橋(船橋)」という。
当時、常設されている橋はランドマーク的な存在だったはずだ。従って、「高橋」「橋本」を始め名字には「橋」のつくものが多い。
そうした中、木ではなく石で作った頑丈な橋というのは極めて珍しかったはず。そのため、石の橋がある場所は「石橋」という地名になり、そこに住んだ人が「石橋」を名字にした。
最も有名な石橋地名は下野国河内郡の日光街道にある石橋宿(現在の栃木県下野市)だろう。
この地名は街道の東側にある池上明神の前の水路に石で造った橋があった事に由来していると伝えられている。しかし、現在池上明神はなく、その場所もよくわからない。
そして、歴史上最も有名な石橋氏もここがルーツといわれている。南北朝時代、清和源氏足利氏一族が石橋氏を名乗っていた。石橋和義は足利尊氏に従って若狭守護となり、室町幕府引付頭人もつとめている。
戦国時代の陸奥国安達郡の塩松城(現在の福島県二本松市)城主の石橋氏はこの末裔ともいう。
現在は福岡県から佐賀県にかけて、千葉県、島根県の3か所に多く、千葉県神崎町では町の最多名字が「石橋」。石橋静河の父石橋凌は福岡県久留米市の出身である。余談だが、タイヤメーカーのブリヂストンは、久留米市出身の創業者石橋正二郎が自らの名字を英訳した「ストーン・ブリッジ」を逆にした「ブリッジ・ストーン」に因んでいる。