「『真珠の耳飾りの少女』の日本での公開はこれが最後」。そんな触れ込みを聞いて、チケットをゲットした9月27日まで「大阪中之島美術館」(大阪市北区)で開催中の『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』。デザインを学ぶ20歳の大学生女子が鑑賞……これまでの美術展とは、またひと味違う印象深い体験ができた。
「最後」と聞いて、行きたくなった
実は、12歳の頃からなじみがあった『真珠の耳飾りの少女』。その出会いは焼き菓子だった。「レーマン製菓」のチョコレート菓子『ルーブリアン限定缶』の蓋にデザインされた絵。
中身はとっくの昔に食べてしまったが、缶はかわいくて捨てずに取っておいた。「お菓子の缶の女の子」…そんな親しみを持っていたところに、オランダの「マウリッツハイス美術館」所蔵の『真珠の耳飾りの少女』が日本に、しかも大阪に、やってくるとの情報が!
チケットは抽選で日時も決められていると聞き、当初は「やめとこかなぁ。どうしても観たくなったら、オランダに行けばいいやー」とも考えた。が、『真珠の耳飾りの少女』が日本に来るのが最後だと知って、抽選にトライすることに。
せっかくなら、講演も聞きたいと思い、マウリッツハイス美術館館長講演会セット券を先行抽選申し込み期間にエントリー。鑑賞時間も考えて、一番早い時間帯の11時からの回を第1希望にして申し込んだ。
大学の友達の中には、「気になっているけどチケットを取れるかわからないから申し込まなかった」と言う人もいたので、はなからあきらめている人も多い気がした。
そして、見事! 展覧会初日に、館長さんの話も聞けるチケットが当たったのは本当にラッキーだった。
「こんなにフェルメール好きがいるなんて!」
展覧会開始前日、「ついに、あの少女に会えるんだ!おしゃれしていこう!」と考えるとなかなか寝付けなかった。
当日「大阪中之島美術館」に着くと、すでに大勢の人・人・人! 会場の5階に行くための待機列があり、「これは、なかなかの長期戦かも」と覚悟した。
ぎゅうぎゅう詰めではないものの、入り口などでみんながそれぞれに記念写真を撮るので進みが遅かったという印象。「私も含め、みんなフェルメールが好きなんだなぁ」という仲間意識が芽生えてくる。
鑑賞前の館長さんの講演会では、『真珠の耳飾りの少女』で印象的な青は「ウルトラマリン」と呼ばれ、当時は金よりも高価だったなど「へぇー」といった話などを。直接聞いたことでフェルメール作品の魅力をより一層理解でき、その後の絵画鑑賞に集中できた気がした。
アイドルの撮影会に参加したみたい!
館長さんの講演会で予習を終えて、いざ会場へ。家族連れやカップルといろいろな年齢層が並んでおり、大阪弁以外も聞こえてきて、「いろんな地域から、わざわざ来ているんだなぁ」と驚いた。
真珠のアイテムを身につけている人や、真珠の耳飾りの少女の格好をしている子どもも。私もそうだが、「おしゃれ」したくなるというのも、この美術展だからこそ。
『真珠の耳飾りの少女』が展示されていたのは最後の部屋。体育館か、ちょっと大きめの教室ぐらいの広さの部屋にあったが、目の前で見るまでに1時間弱待った。
室内は段差や傾斜がないので、背の高い人は列に並んでいる時から作品を見ることができるが、背の低い人や子どもは正面に行くまでお預け。「人を見に来たのかな?」と思ったほど。
絵の正面に行くと、写真撮影は1枚のみOK。止まってはダメなので、歩きながら撮影。鑑賞したいし、撮影したいし。ちなみに、スマホのノーマルカメラの明るさを暗くすると、見たままになるかな?という印象。カメラの設定、歩きながら撮るためにも、事前にシミュレーションしておくのがおすすめだ。
作品は、そんなに大きくなく、体感は小学校や中学校の机板ぐらい。やはり青色が綺麗で、あの少女にじっと見つめられているような気持ちに。鑑賞時間はあっという間だったので、その場で感動を噛みしめるほどの余裕はなく。アイドルの写真会とか握手会に行った気分に近かったかも。
いつか、オランダで鑑賞する時は時間にしばられず、飽きるまで見ようという目標が生まれた。
並ぶこと覚悟で用意周到に
鑑賞とショップはともに人が多く、合計3時間半かかったので、ある程度の心構えと事前準備が大事だと実感した今回の企画展。
合間に座れないので、歩きやすい靴、最小限の荷物に(返金式のロッカーが空いていれば預けておくのもおすすめ)。そして、会場に入る前に、食事や水分をしっかり摂っておくこと、トイレに行っておくこと。
そして、どの作品の前も人が多く、正面で鑑賞できるまで列で待機するので、その時間をどのように過ごすか考える必要も。スマホでイヤホンで音楽か何かを聴いたり、SNSを見たりしている人が多かった。そのため充電切れを避けるためにも、モバイルバッテリーがあった方が安心だ。
今回の展覧会の限定グッズを販売している5階と2階(いずれかだけ入店可、入店券が必要)の限定ショップは展覧会当日入場者しか利用できず。ただ、だれでも利用できる常設ショップにもフェルメールの関連グッズ(限定品ではない)があり、こちらは意外と穴場だ。
行列がずっと続き、点数も12点のみと少なかった異例の美術展。それでも、『真珠の耳飾りの少女』のあの子と一瞬、目が合ったような気もしたし、会えたことはうれしかった。
『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』※日時指定制
マウリッツハイス美術館が改修工事によって、臨時休館することで日本の展示が実現。フェルメールの作品は『真珠の耳飾りの少女』と『ディアナとニンフたち』の2点。ほかにも17世紀オランダ名画を代表する、レンブラント・ファン・レインやヤン・ステーンらの作品を含む計12点が展示。現在、鑑賞チケットの追加販売(抽選)が9月4日昼12時〜7日昼12時に予定されている。
期間:2026年8月21日(金)~ 9月27日(日)
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
※9月6日、9月8日、9月12日~16日、9月19日~27日は9:30~20:00(入場は19:30まで)
会場:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)
料金:一般3000円、高大生1500円、小中生500円
公式サイト:https://vermeer2026.exhibit.jp/
(まいどなニュース/Lmaga.jp特約・押屋ベリィ)