「以前なら、迷わず自由診療を選んでいたと思います。でも、最近は治療のたびに金額が気になってしまって…」
東京都在住のKさん(50代)は、40代後半になったころから、歯のトラブルが少しずつ増えていったと感じています。詰め物が取れたり、歯の一部が欠けたりすることが重なり、歯科医院を受診する機会も増えていきました。
「せっかくなら、いいものを」と選んできた自由診療
Kさんがこれまで自由診療を選んできたのには、理由がありました。
もともと口元を気にするタイプで、保険診療よりも自由診療の方が見た目も自然で質がいいと説明されると、 「どうせ治療するなら、きれいな方がいい」と考えていたそうです。
さらに、通っている歯科医院の院長は、以前から付き合いのある知人でした。
「こちらの方が見た目もきれいですよ」「長く使うことを考えるなら、こちらがおすすめです」
そう勧められると、知り合いで信頼していたからこそ、勧められたものなら自分に合っているのだろうと思っていました 。
もちろん、単に断りにくかっただけではありません。年齢を重ねても口元はきれいにしておきたいという気持ちもありました。
「今思えば、少し見栄やプライドもあったと思います」
「7万円」が以前とは違って見えた
ところが、40代後半から増え始めた歯のトラブルは、50代に入ってからも続きました。
先日も奥歯の一部が欠け、治療が必要になりました。保険診療で治療する方法もありましたが、自由診療の場合は約7万円と説明されたそうです。
以前なら「せっかくなら自費で」と思えたKさんも、今回はすぐに決断できませんでした。
「1回だけならと思えるんです。でも、これから先も歯の治療が続くかもしれないと考えると、7万円が急に大きく感じました」
しかも、検診をすると「あ、左の奥の上の歯も少し欠けていますね。一緒に治療した方がいいですよ」と言われたのです。こちらも治療すれば、さらに7万円ほどかかるのでしょう。
歯にかぎらず、年齢を重ねるにつれて、医療費も少しずつ気になるようになっています。
「今までは、多少高くてもいいものを選ぶことが自分のためだと思っていました。でも、治療する箇所が増えてくると、それだけでは考えられません」
Kさんは今、治療を勧められたときには、費用や選択肢について自分から納得するまで聞こうと考えています。
「見栄を張るより、家計を優先してもよかったのかもしれません」
かつては「きれいな歯でいたい」という気持ちから選んでいた自由診療。今では、その選択をする前に、家計とのバランスを考えるようになったそうです。