夏休みの宿題として親子を悩ませがちな「読書感想文」。生成AIをはじめとするテクノロジーが普及・進化する中で、読書感想文という宿題のあり方や意義について、みなさんはどのように考えていますか。
株式会社DeltaX(東京都千代田区)が運営する塾選びサービス『塾選』が実施した「生成AI時代の読書感想文」に関する意識調査から、子どもの苦手意識や保護者が感じる読書感想文の意義、モチベーションを保つ工夫などを探ります。
調査は、小学生の子どもをもつ全国の保護者100人を対象として、2026年7月にインターネットで実施されました。
調査によると、60%の小学生が「読書が好き」と回答しました。しかし一方で、「読書感想文は苦手」(55%)とした小学生は過半数に達しました。
「本を読むことは好きだが、感想文を書くのは嫌い・苦手」というギャップが存在しており、単に本を読むことと、そこから感想文として文章化することの間には大きなハードルがあることが分かりました。
また、読書感想文で子どもが「最もつまずきやすいポイント」として挙げられたのは、「文章の構成を組み立てること」(28%)や「感想を言葉にすること」(19%)、「何を書けばよいか分からない」(13%)が挙げられ、本の内容を理解していても、「どのような順番で整理して書けばいいのか」「どんな言葉で表現すればいいのか」という文章構成や言語化のプロセスで手が止まってしまうケースが多いようです。
そこで、家庭で子どもの「読書感想文のサポート」について聞いたところ、「サポートしている」と答えた保護者は59%。具体的なサポート内容としては、「誤字脱字・表現のチェック」(77%)や「全体の構成や流れへのアドバイス」(60%)、「感想を引き出すための質問」(53%)などが挙げられました。
しかし、教える側の保護者からも「『面白かった』『かわいかった』など一言で終わってしまう感想から、具体的な理由を引き出すのが大変だった」「ただ感想をつらつら書くだけではなく、文章としてどう構成するのかを理解してもらうのに苦労した」といった苦戦の声が集まっており、子どもから感想を上手に引き出したり、構成を教えたりすることに悩む保護者が多いのが実情です。
なお、サポートに「生成AIを活用」している保護者は10%にとどまり、現時点ではまだ少数派。「AIを活用した工程」としては、「本選び」や「感想を引き出す質問を考える際の補助」として使うことで、読書感想文をサポートする保護者の苦労を軽減できる可能性もありそうです。
子どもにとっても親にとっても負担が大きい読書感想文ですが、夏休みの宿題として「必要だと思う」とした保護者は72%となりました。
また、保護者が読書感想文を通して「子どもに最も身につけてほしい力」として挙げたのは、「考えを言葉にする力」(63%)が最多となり、整った綺麗な文章を書く技術そのものよりも、「本を読んで自分が何を感じたのかを整理し、自分の言葉で表現する力」を育む機会として、読書感想文に大きな価値を感じている保護者が多いことがうかがえました。
読書感想文が苦手な子どものモチベーションを保つ工夫は?
苦手意識を持ちがちな子どもに対し、家庭では最後までやり遂げられるようさまざまな工夫がなされています。
▽作業を細かく分ける
「1日目は読書、2日目は構成案作成、3日目に執筆」など、一回あたりの負担を減らす。
▽書けたところを褒めて伴走する
一気にとがめず、少しでも進んだことや自分の意見が言えたことを肯定する。
▽環境づくりと適度な休憩
テレビ等を消し、親も隣で読書をするなど集中しやすい環境を整える。
▽書き終えた後のご褒美・お楽しみをつくる
終わったら家族でお出かけや好きなおやつを用意するなど、達成感につながる目標を用意する。
AIを使えば簡単に文章が作成できる時代だからこそ、自らの頭で考え、感じたことを「自分の言葉で表現する」体験の重要性が再認識されています。
完璧で素晴らしい文章を完成させることだけを目指すのではなく、子どもが感じたことに耳を傾け、対話を通じて少しずつ言葉にしていく――そんなサポートのプロセス自体が、子どもにとって貴重な学びの機会となっているようです。
◇ ◇
【出典】▽塾選ジャーナル/生成AI時代に「読書感想文」は必要か?7割超の親が「必要」と答えるワケ【保護者調査】
https://bestjuku.com/shingaku/s-article/63623