『花より団子』という言葉があるように、パーティーでは食べ物にしか興味がない人もいるでしょう。漫画家・西造さんの作品『しゃーなしやぞ』の抜粋エピソード『パジャマデレラ』では、童話・シンデレラの創作物語が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約6.8万のいいねが寄せられました。
それは、とある国で舞踏会が開催されることが知らされたときのことです。シンデレラやその継母、姉妹たちも舞踏会に向かおうとしますが、シンデレラはなんとパジャマ姿で参加しようとしています。そんな格好では笑いものになると継母はいいますが、当のシンデレラは「いい料理がいっぱい出るのに、コルセットなんて締めたら食べらんないじゃん」と、着飾ることにまったく乗り気ではありません。
結局姉たちに止められ、シンデレラは留守番することになりました。シンデレラは家に誰もいないため、普段カロリーが高すぎて継母に止められているポテトチップスを作ることにします。
スライスした芋を揚げていると、どこからともなく魔法使いがやってきました。魔法使いはポテトチップスを分けてくれたお礼として、シンデレラにいっぱい食べても大丈夫な妊婦用のドレスの魔法をかけてくれます。そしてカボチャの馬車に乗って、舞踏会へと向かうのでした。
じつはこの舞踏会が開かれるきっかけになったのは、政略結婚するのが当然だと結婚に無頓着になってしまった王子を、前向きな気持ちで結婚してもらうために開催されたのです。
そして舞踏会当日、王子のまわりには多くの若い女性達が集まっています。そんななか王子にはまったく興味を示さず、ひたすらに食べ続けているシンデレラの姿がありました。王子は、彼女がポテトを皿に山盛りに入れる姿から目を離せません。
これが恋だと気付いた王子は、彼女をダンスに誘いました。渋々誘いに乗ったシンデレラでしたが、王子のダンスが長かったのか、それともお腹が苦しかったのか、「いい加減にしろ帰る」と怒り逃亡しようとします。彼女のガラスの靴をなんとかつかんだ王子でしたが、かかと落としを食らい、逃げられてしまいました。その後、なんとしてでもシンデレラと結婚すると決意した王子の姿を見て、国王は大喜びするのでした。
読者からは「継母たちと仲よさげで羨ましい」「このシンデレラすき!」などの声が寄せられています。そこで、作者の西造さんに話を聞きました。
継母やその娘たちとシンデレラはそれなりに平和に過ごしている
―同作を描いたきっかけについて教えてください
学生のとき、各地の口承文学としてのシンデレラを集めた本を読みました。恥ずかしながら何という本だったのか失念してしまったのですが…
その本に「姉に舞踏会に誘われたのを断り、魔法を使い自力で舞踏会に現れ、王子の愛を勝ち取る」シンデレラが書かれていました。パジャマデレラを描くきっかけといったら、昔読んだそのつよつよシンデレラだと思います。
―継母兄弟たちとシンデレラが仲良さそうなのも印象的でしたが、普段はどのような関係性だとご想像しますか?
それなりに平和にやっている想定です。継母は娘全員を嫁にやるまで責任は自分にあると思ってるし、姉たちはなんだかんだ可愛い妹と思っています。
―西造さんは、ほかにはどのような作品を描かれていますか?
KADOKAWAから「イートインワンダーランド」を出版していただいています。旅の料理人ハチが様々な童話の世界で料理をつくります。メンタル病んでる強くないタイプのシンデレラも出てきます。ぜひご覧あれ!
<西造さん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/actout_saizo
▽書籍『イートインワンダーランド』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H42CXXYD/
▽書籍『しゃーなしやぞ』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0F1S6CSS7/