日本の年齢中央値が50歳を超えるという大きな転換期を迎えるなか、50歳世代を取り巻く環境や意識はどのように変化しているのでしょうか。ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(東京都中央区)が実施した「脳の健康」に関する実態調査によると、多くの50歳が心身の衰えや将来の就労に対する不安を抱えている一方で、「脳の健康」に対する対策が進んでいないという深刻なギャップが浮き彫りになりました。
調査は、全国の50歳の男女1000人を対象として、2026年5月~6月の期間にインターネットで実施されました。
国連人口推計を基にしたデータによると、日本の年齢中央値は2026年に50.2歳に達すると推計されており、まさに人口の中心が50歳を超える時代を迎えています。
調査の結果、「50歳を迎えて『人生の転換期』に入ったと感じる」とした割合は75.3%にのぼりました。
また、「今後の人生に対する捉え方」については、「楽観派」(45.8%)と「悲観派」(54.1%)に分かれ、全体としてはやや悲観的な見方が上回る結果になりました。
楽観派からは、「子どもが独立して自分の時間が増える」「新たな趣味を見つけて新生活を楽しみたい」といった声が寄せられた一方、悲観派の意見としては、「いつまで元気で働けるか定年後の生活が不安」「物価高騰や親の介護などの負担が重い」などの声が聞かれ、ライフステージの変化に対する期待がある一方で、目に見えない将来への不安が色濃く反映されています。
続けて、「今後の人生で最も楽しみを感じるテーマ」を尋ねたところ、「趣味」(46.0%)と「旅行」(45.9%)がほぼ同率でトップとなりました。
しかし、同時に抱く「不安のテーマ」を尋ねると、「健康維持」(58.1%)が最多となり、楽しみたい気持ちの土台となる健康への懸念が最も強いことが示されました。
実際、30〜40代の頃と比べて「自身の衰えを感じる」と答えた人は実に85.8%にのぼり、そのうち約9割(88.7%)がその変化に「不安」を抱いています。
具体的に「衰えを感じる能力」としては、「体力」(76.5%)、「筋力」(50.1%)、「記憶力」(49.4%)が上位に挙がり、身体的な衰えだけでなく、約半数が「記憶力の低下」という脳の機能変化を自覚していることがわかりました。
そこで、「健康対策の実施状況」を調べたところ、現在何らかの対策に取り組んでいる人は51.3%と約半数でした。
しかし、その中で「最も意識して取り組んでいる対策」として「脳の健康(集中力や記憶力など)」を挙げた人はわずか3.0%にとどまり、最も多かった「運動・身体づくり」(39.4%)と比較すると、約14分の1という大きなギャップがあることが明らかとなりました。
では、なぜ「脳の健康」への対策が進まないのでしょうか。
「特に対策が難しい健康対策」として「脳の健康」を挙げた人(17.5%)にその理由を聞いたところ、「何をすれば良いかわからない」が57.1%で最多となりました。記憶力の衰えなどに不安を感じつつも、具体的なアプローチ方法が見つからないことが、行動の大きな障壁となっています。
最後に、定年延長や雇用環境の変化を受け、「今後の就労」について尋ねたところ、約3人に1人が「70歳以降も働くことになる」(35.0%)と想定していることが判明。
しかし、現役期間の長期化が進む一方で、急速に進化するAIやデジタル技術に対して「今後も学び続けてついていく自信がない」とした人が64.9%にのぼりました。
さらに、「これまで通り働き続けることへの不安の理由」として、「体力面」(70.0%)や「健康面」(61.7%)に次いで、「脳の健康を維持できるか不安」(38.6%)が上位に挙がりました。
人生100年時代・AI時代を生き抜き、長く働き続けるためには、体のケアだけでなく「学び続けるための脳の健康維持」が重要な課題となっています。
◇ ◇
【出典】
▽「kikippa」を展開するピクシーダストテクノロジーズ株式会社