命綱1本、足元は普通の長靴。77歳の空師(そらし)が屋根より高い木に登り、チェーンソーで枝を落としていく――。YouTubeチャンネル「CAT HOUSE DIY」のとしおさん(@cathousediy)が投稿した「伐採動画」が44万回以上再生され、「信じられない神業」「77歳というお歳にびっくり」と驚きの声が集まっています。
「CAT HOUSE DIY」は、購入した空き家を住居兼アトリエにするため、DIYリノベーションを進める様子を発信しているYouTubeチャンネルです。動画に登場するのは、昨年、栗の木の伐採で運命的に出会ったという空師の正男さん。投稿文では「ついに、そのお方がやってきました!」「77歳。長靴。達人の仕事。何もかも常識を超えている……圧巻です!」と紹介されています。
「空師」とは、主に住宅街や神社などの狭い場所で、クレーン車などの重機が使えない巨木にロープや命綱だけで登り、上部から少しずつ切って伐採・剪定する樹上作業の専門職人のことです。高い場所で空に近い環境で作業することから、神業的なバランス感覚と高度な伐採技術を駆使する、非常に希少な存在とされています。
正男さんの仕事を生で見るのは、としおさんにとって今回が初めてでした。以前、栗の木を自分で伐採し、後片付けをしていたときに、軽トラで通りがかった正男さんが気にかけて話しかけてくれたのが正男さんとの出会い。作業写真や過去の新聞記事を見せてもらい、「空師という職業をそれまで知らなかったので、実際に見てみたかったんです」と話します。
動画では、正男さんが命綱1本の軽装備で木に登り、屋根より高い場所でチェーンソーを振るう姿が映し出されています。現場で最も「常識を超えている」と感じた瞬間を聞くと、意外にも答えは「足元」でした。
「どの動きもすごかったんですが、長靴になっちゃいますかねぇ…。YouTubeで高所の伐採動画を見ても、長靴の人は見たことがない気がします」
作業後に理由を尋ねると、正男さんは「畑仕事もあるし、濡れるときもあるから、いつも長靴の方が楽でしょ?」とあっさり。としおさんは「改めて規格外だと感じました」と笑います。自宅を訪ねた際には畑仕事や狩りもしていたそうで、自給自足に近い暮らしを送っている人だったといいます。
作業中は、助手との連携にも驚かされました。現場ではほとんど声をかけ合うことなく、淡々と作業が進んでいったそうです。高所が苦手なとしおさんは見ているだけで「ゾワゾワした」ものの、当の本人たちはいつも通りの仕事をこなしているだけという様子だったといいます。
約2時間で作業は終了。5年間できるだけ自力で進めてきたとしおさんですが、正男さんの仕事を目の当たりにして「プロにお任せしたい気持ちが、だいぶ増えちゃいました」と笑います。
今回の投稿には、「偶然出会った動画で一目惚れ」「素晴らしいお仕事です」「77歳!!空師 こんな仕事があるんだ。生涯現役でいてほしい」といった声が寄せられました。動画の反響は、正男さん本人にも伝えたそう。正男さんは「もし誰か切ってほしい人いたら言ってね〜!」と話していたといいます。