3歳の子どもがいる専業主婦のAさんは、隣人との「おさがり」トラブルに悩んでいました。きっかけは、Aさんの住むマンションの隣の部屋に、2歳の子どもがいる家族が引っ越してきたことです。子どもの年齢が近いことから、隣家に住むBさんとはママ友となります。
ある日、AさんとBさんがいつものように会話していると、Bさんの子どもの服のサイズがすぐ変わってしまうことに困っているという話題になります。自身も同様の悩みを抱えた経験があるAさんは、助けになればという思いから、自身の子どもの服を「おさがり」として何着か譲りました。
喜んでくれるBさんを見て満足するAさんでしたが、その後も会うたびにBさんから「おさがりありませんか?」と聞かれるようになってしまいます。困ったAさんは「他の子にあげる約束しているから」と遠回しに断っても「では、次回お願いします!」と噛み合わない返事が返ってきます。
その後も会うたびに「おさがり」を要求されるAさんは、すっかりBさんには嫌気がさすように。しかし、隣人であるため避けることもできません。このような困ったママ友に対してどのように対応すればいいのでしょうか。心理カウンセラーである吉野麻衣子さんに話を聞きました。
欲しがるママ友は他者との境界線が極端に曖昧な人
―なぜ何度も「おさがり」を欲しがるようになってしまうのでしょうか?
Aさんの場合、オペラント条件付けが大きく作用しています。これは、自発的な行動によって得られる報酬や罰に応じて、行動の頻度が増減する学習のことです。最初にAさんが服を譲ったことで、Bさんには「言えばもらえる」という成功体験が脳に刷り込まれてしまったのです。これによって「Aさん=くれる人」という基準が固定化されているのです。
また、彼女にとってAさんの「断り」はただのノイズであり、「順番待ちさえすれば手に入る」という希望的観測だけを信じている状態です。悪気があるというより、他者との境界線が極端に曖昧なタイプといえるでしょう。
―Aさんはこのママ友にどのような対応をするといいのでしょうか?
「察してほしい」は通用しないため、期待を持たせる言い訳はやめましょう。有効なのは「壊れたレコード作戦」です。「親族以外には譲らないことにした」「フリマで売ることにした」など、「あなたには譲れない」という事実を、まるで壊れたレコードのように同じ言葉で何度も繰り返してください。
隣人として挨拶はしつつ、「心のシャッター」を下ろしましょう。おさがりの話題が出たら「あ、それは無理なんで~」と笑顔で即答し、すぐ話題を変えることをおすすめします。下手に代わりの案を出すと相手に期待をさせてしまうため、「何を言われても無理」という姿勢を貫くことが、あなたを守る一番の方法です。
◆吉野麻衣子(よしの・まいこ)
株式会社SMARTBRIDAL代表取締役社長/MBAホルダー/恋愛婚活心理学者/モデル 結婚相談所SMART BRIDAL代表として、「MBA(経営学)・心理学・AI・オンライン」を融合させた科学的根拠に基づく戦略的婚活をサポートしている。「離婚しない幸せな結婚」を理念に掲げ、どの様な境遇の方でも幸せな結婚が出来るように、多くの人を幸せな結婚に導いている。