「世界中の土を集めてきたよ。」
そんな一言とともに投稿された写真が、SNSで大きな注目を集めました。
そこに並んでいたのは、色も質感も異なる12種類の土。まるでアイシャドウパレットのようだと話題になっています。
投稿したのは、土壌研究を専門とする藤井一至さん(@VirtualSoil)。今回の反響について、藤井さんに聞きました。
ーー藤井さんの普段の活動は。
藤井:土の研究をしています。世界中で進行している土壌劣化をどう防ぐか、すでに劣化してしまった国内外の土をどう回復させるかという研究です。バナナの病気を防いだり、新しいお米の栽培法を開発したり、みなさんの食べ物とつながりの深い研究分野です。
ーー この12種類の土を選んだ理由、一番好きな土とその理由を教えてください。
藤井:国際的な土壌分類法があり、それによってもっとも単純化すると世界の土は12種類に分けられます。その12種類の土壌を現地で採取したものです。どれも特別な輸入許可取得済、滅菌済のものです。
好きな土はポドゾルです。ずっとこの土の成り立ちを研究してきたので。森林の下でキノコが作り出す有機酸で粘土が溶けて砂だけが残ります。真っ白な砂はとても美しいです。
ーー多くの反応が寄せられています。
藤井:「こんな色の化粧が欲しい」「化粧品会社とコラボしてほしい」という依頼が多数ありましたので、知人のいる化粧品会社に連絡しました。興味を持っていただきました。乞うご期待です。
◇ ◇
なお、藤井さんは現在、ジュンク堂書店池袋本店7階・理工書フロアにて、『土と生命の46億年史』刊行1周年を記念した「藤井一至の偏愛する46冊」フェアを開催中です。
研究対象として見てきた「土」が、思わぬ形で注目を集めた今回の投稿。色や質感の違いに驚いた人も多く、土の奥深さや面白さが自然と伝わる反響となりました。今後、どんな形で広がっていくのかも気になるところです。
藤井一至さん関連情報
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