イギリスの田舎町にあるショッピングモール内のマクドナルドで販売されていたのは、「黒胡椒(くろこしょう)ガーリック」とパッケージに日本語でデカデカと書かれたマックナゲット。端の方には「STOLEN FROM JAPAN」というユニークな文言も書かれています。この商品を購入した女性が「ここでこれを読めるのは、わたししか絶対いない!ひらがな、カタカナ、漢字。全部読める!!すごいだろう!!!『日本からパクった』って書いてるのが好感度高い」という言葉とともに実物の写真をThreadsに投稿したところ、驚きの声が集まりました。投稿主は、イギリス在住で日本語補習校の講師をやっている、みえこ(mieko.kosodate)さんです。
ある日、イギリスの田舎のショッピングモール内のマクドナルドを訪れた、みえこさん。平日の昼間という時間帯のため、店内には人が少なく、アジア人は自分ひとりだけだったといいます。タッチパネルで注文をしようとメニュー表を見ていたところ、イギリスでは見慣れない日本語が目に飛び込んできたのだそう。
「スペシャルメニューというページを開くと、ふと日本語メニューが目に入ってきて、『なんだこれはー!?』となりました。迷わずナゲットを注文しました」
自身にとって馴染みのある日本語に導かれて注文したのは、スパイシーチキンマックナゲットの「黒胡椒ガーリック」味。そして受け取ったパッケージに書かれていたのが、「STOLEN FROM JAPAN(日本からパクった)」という文言でした。
「しれっと自分達が開発した食べ物のように出すわけではなく、“パクった”と堂々とパッケージに書いていて、『素直でよろしい』と思いましたね。私が発明した食べ物ではないですが、『日本はすごいからね』って勝手に鼻高々になっちゃいました」
実はこの商品は、イギリスで2025年10月頃に販売されていた、「World Menu Heist(ワールドメニューハイスト)」という限定メニュー。Heistは英語で「強盗」という意味があり、「味の強盗たちが日本を含む世界7カ国のマクドナルドから盗んだメニューをイギリスに逆輸入」という設定のもと、展開されたものでした。日本メニューからは、みえこさんが購入したナゲットのほか、桜風味の炭酸ドリンクも販売されていました。
「私は日本語しか目に入っていなかったので、てっきり日本フェアをやっているのだと思い込んでいました。でも、ナゲットと一緒に買っていたフライドポテトの袋にも『STOLEN FROM POLAND』と書かれていたのを発見した人がコメントで『ポーランドからもパクってる?』と指摘していて、『世界中からパクっているのか!』と気づいたんです。『STOLEN FROM~』という表記に対して、『ユーモアがあっていい!』と肯定的な人がたくさんいたのが印象的でしたね」
意外なところで日本語メニューを発見した瞬間について、みえこさんは次のように語ります。
「イギリスで日本語を目にするだけで、『こんなに幸せな気持ちになれるんだ』と、改めて感じました。つい、値段を気にせず注文しちゃったので…(笑)。こちらで見かける漢字などの日本語表記は間違っていることが多いので、『有識者がちゃんとチェックしたんだろうな』というのも感心ポイントでしたね。イギリスでは日本語(漢字)はかっこいいイメージを持たれているので、目を引くという意味では、このメニュー名は正解だったのではないかと思います。こんなことでも、日本人であることを誇りに思いました」