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「ばぁばを恨んでいました」……祖母宅を片付ける"孫娘” ゴミ屋敷状態から3年、気づいた祖母の思いは? 「偉いっ」「めちゃくちゃタメになりそう」

谷町 邦子 谷町 邦子

「実は私 ばぁばを恨んでいました」

祖母の自宅を掃除する投稿者が、Instagramの動画で語った気持ちの変化。“ゴミ屋敷”状態の家を片づける思いについてたずねました。

未使用の生活用品やアクセサリー、サプリメントなどが大量に放置された祖母宅(戸建て)。そこで、「はち ばぁばのゴミ屋敷の反動でミニマリストになった孫」(hachi_minimal_kurashi、以下、はちさん)さんは、3年前から片付けるように。

手をつけ始めた頃は、なぜこんなに物を買ったのか理解できなかったはちさん。「無駄づかいばかりして」と愚痴をこぼしていたそうです。

しかし、3年片付け続けた今、物を見れば買ったばぁばの気持ちがわかるように。使わないうちに変色した大量のトイレットペーパーは、「オイルショックの不安がストックに変わったんだよね」。

箱に入ったままの、木彫りや漆塗り、真珠、サンゴをあしらった数々のブローチは、「お友だちにお土産を買ったけど きっと渡せなかったのかも」、ダンボールいっぱいの健康食品は、「家族を守ろうとした証」など。

当初は、想像もしなかった気づきを得て、はちさんは腹立たしく感じることもあった祖母宅の片付けを、「業者に任せず、孫の私がやれてよかった」と前向きにとらえるように。そして、「まだまだ時間はかかるけど、私なりのばぁば孝行をこれからも続けていきます」と気持ちを新たにしたのでした。

投稿には、

・偉いっ ステキな考え方だと思います 3年も頑張ってるなんて頭が下がります
・その人にとってはどれも大切なものをかもしれないし、きっと何かの思い、気持ちがあっての買い物でしたよね。そんな風にお孫さんが感じられるってすごいですね。おばあちゃまも喜んでますね
・ばあばの思いを感じ、新たな気付きを得ながらするお片付け。自分のこれからの人生観や家族観にめちゃくちゃタメになりそうですね。

現在の祖母は、認知症で、目も不自由になってしまい施設で生活。そんな祖母の思いを“物”を通して知ることができたはちさん。どんなふうに片づけを進め、どんな苦労があるのか、たずねてみました。

「きれいだった祖母宅リビングが…」

片づけのきっかけは、4年前のこと。地元を離れて働いていたはちさんは、当時、コロナ禍で数年会えていなかった祖母の家を久々に訪れました。

「きれいだった祖母宅リビングの床面が、平積みの書類やモノで埋まっていたことに衝撃を受け、片付けなければと思いました。今思えば認知症の初期症状と、足腰がだんだん弱ったのが原因だったと思います」

特に理学療法士が訪問した時は、物を搔き分けて作った座布団1枚分のスペースに案内していたことがショックで、はちさんの両親をはじめ、周囲の人が誰もこの状況の異常さに気づいていないことにも恐怖を感じたそうです。

「物置部屋を私の部屋に」

そして2022年7月から本格的に片付けがスタート。まだ、祖母が自宅に住んでいた頃でした。はちさんは遠方から来て、泊りがけで片付けるので、自身が寝泊まりする部屋を確保することから始まりました。

「物置部屋を私の部屋に。3日程度で急いで大まかに片付け、ゴミを置く場所がなかったので一旦ゴミ置き部屋を作ってそこに置きました。ゴミ出しが終わり、エアコンがつくまで1~2カ月程度かかったと思います」

次に祖母の介護ベッドがあるリビングの、不用品やゴミをどかす作業にとりかかりました。

「祖母がデイサービスに行っている間にモノをかき出し、ゴミ置き部屋にゴミ袋を仮置きしました」

2部屋を片付ける時点で3カ月程度経っており、その頃には祖母は施設に入居することになってしまいました。

「そのため、先急ぎの片づけはなくなったので、残りの部屋はコツコツと、できる範囲で片付けて今3年が経ったところです」

「片付けても、ゴミが出せずにたまる一方」

さて、片付けの中で特に大変だったのは、「ゴミ出し」だったそうです。

「私は新幹線で通う距離に住んでおり、祖母宅には1~3か月に1回程度の訪問で、1週間しかいられません。だからゴミ出しの機会は1回の滞在で3、4回程度。片付けても、ゴミが出せずに溜まる一方になってしまいます」

回収日という、捨てられるタイミングが限られているゆえの苦労。そのため、最近はこんな対策をしているそう。

「最初にゴミ回収の予定を見て、その前日に回収される物を集めます。例えば翌日が衣類ゴミの日であれば、家中の衣類ゴミを探す形で片付けをします。そのため『1部屋ずつ終了』という形にまとまらないのが辛いところです」

以前と比べると効率よくゴミを出せるようになったものの、そのゴミを各部屋から集約する苦労が伝わってきます。

「今は1階の6割ほどのゴミが出たところでしょうか。粗大ゴミばかり残り、どうしようかと思っているところです」。粗大ごみはなかなか回収のタイミングが来ず、廃棄に料金がかかるとあって、大変そうです。

そんな「ゴミ捨て」がネックになっていることを踏まえて、「そもそもゴミを出さない」工夫も行うように。

「なるべくリサイクルできるものはリサイクルしているのが私の片付けの特徴です。多少大変でもフリマアプリなどで即お譲りできれば、ゴミの回収を待たずに済みます」

得たお金は祖母宅に行くための新幹線チケット代など必要経費に充てるため、金銭的に得することはない状況とのこと。

「引き続き片付け頑張ります!」とはちさん。Instagramで祖母宅を片付けながら気づいたことに加え、自宅の掃除や収納、断捨離などミニマリストとしての活動も発信しています。

■はち ばぁばのゴミ屋敷の反動でミニマリストになった孫(hachi_minimal_kurashi)さんのInstagramアカウント https://www.instagram.com/hachi_minimal_kurashi/

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