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ガマンする兄と甘えん坊の弟 兄弟喧嘩がお互いの成長の機会に【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

歳の近い兄弟がいると、どうしても喧嘩してしまうことがしばしばあります。おもちゃの取り合いや順番争いなど、毎日のようにぶつかり合う様子に、親としてはつい介入したくなるもの。しかし、こうした衝突こそが子どもにとって大切な”成長の機会”となることもあり、どこまで見守り、どこから手を差し伸べるべきかの見極めがなかなか難しい問題でもあります。

そんな兄弟喧嘩について、日常の出来事を漫画にして投稿しているパパ頭さんは、子どもたちなりの兄弟としての付き合い方について感慨深いエピソード『仲良しの理由』を投稿していました。

ある日、お兄ちゃんの“にに”は、「“とと”ちゃん(弟)のこと、最近ちょっと嫌いなの」とポツリとパパ頭さんに打ち明けます。いつも仲良しで、微笑ましいやり取りを見せてくれていた2人なだけに、パパ頭さんは動揺しつつも冷静に理由を尋ねました。

話を聞いてみると、ととが良くないことをしたとき、ににが注意しても、全く聞いていないような態度をとられ続けていたとのこと。回数を重ねるうちに「なんだか少し疲れちゃって…」と肩を落とすににの姿に、パパ頭さんは思わず「親みたいな疲れ方してる!!」と心の中でツッコみます。

けれども、にには決して弟を嫌いになったわけではなく、大事だからこそ悩んでいる様子。そんな兄の繊細な気持ちを受け止めたパパ頭さんは、「ちょっと離れてみるのもいいかもね」と提案します。甘えることに慣れてしまっていたととにとって、兄のありがたみを見つめ直す時間になるかもしれないという想いが込められていました。

それから数日後、ににが持ってきたおもちゃをととが独占しようとした瞬間、兄は毅然とした態度で「…そっか、ならぜんぶあげるよ。ただにには、きみとあそぶのをやめるね」と静かに告げます。

この変化を感じ取ったととは、すぐに兄の後を追いかけて「にに!!わるかったあああ!!ととがわるい!!いまのはととがわるい!!」と全力で謝罪します。自分の非を認め、仲直りを願う姿に胸を打たれます。そんな弟の気持ちをしっかり受け止めたにには、再び一緒に遊ぶことを受け入れました。

一連のやりとりを見守ったパパ頭さんは、「仲が良いのは、ただの相性じゃない。仲良くいようと努力しているんだ」と、子どもたちの姿勢に深く感動します。同作や兄弟関係について作者のパパ頭さんに話を聞きました。

大好きなににが精神的に離れていくことを直感

ーににちゃんが自分の気持ちの矛盾について相談されたのは初めてのことでしたか?

私が勝手にそう感じているだけではありますが、ににはよく悩みや考えを私に話してくれるように感じています。彼は内向的な性格で、頭の中であれこれ考えていることが多いようなのですが、まだ幼い故に言語能力に限りがあり、どうにも整理しきれない時に声をかけてくれているようです。ただ、ととのことについてここまで真剣に相談されたことは初めてでした。

ー ににちゃんが「君と遊ぶのをやめる」と告げたとき、ににちゃんはどんな気持ちだったと思いますか?

怒りや哀しみといった強い感情ではなく、すーっと波がひいていくような、穏やかで静かな気持ちだったのではないかと思います。恐らくは少し距離をとってみてもいいのではないか、という私の助言を踏まえての言葉だったのだろうと思います。言われた側のととは心底肝が冷えるというか、大好きなににが精神的に離れていくことを直感して、本当に焦ったでしょうね。

ーととちゃんが「ごめんなさい」と謝った時、ににちゃんはどう感じたと思いますか?

ににの性格からして、「遊ぶのをやめる」という宣言はととを責める気持ちから生じたものではなく、どうにも苦しい自分の気持ちを落ち着かせるために放ったものだったのだと思います。ととの謝罪に対してににはすぐに微笑み返していました。時間をかけて心を落ち着かせる予定だったところが、謝罪のおかげですっと切り替えることができたようです。今回の件でににはととのわがままに対する対処法を学んだと思いますが、一方でととの方も何でもやっていいわけではないことを学んだようです。

ー ににちゃんが感じた「親みたいな疲れ方」について、親としての疲れと子供としての心情の違いを感じた部分があれば教えてください。

人は、時間をかけて経験を積んでいくことで大人になっていきます。大人は子供の幸福や成長に対して責任を負っていますが、子供はまずは自分自身の幸福や成長を優先すべきであり、多くの責任を免除されています。

ににももちろん子供ですから、まずは自分の幸福を優先すべきだと思います。ただ一方で彼はととに対して責任意識を持っており、子供でありながらも先に産まれた人生の先輩としてととを満足させてあげたいという気持ちを持っているようです。これを両立させるには相応の技術が必要で、にににとってはまだまだ難しいことが少なくない。苦労を重ねながらも、少しずつ成長しているようです。

ー最後に、もし将来、大人になったお子さんたちが喧嘩をしている場面に遭遇した場合、どのような言葉を掛けてあげたいと思いますか?

お互いにとって最も良い結論に辿り着くために、言葉を尽くす努力をするように働きかけると思います。具体的には双方の主張や目線、気持ち、価値観を洗い出し、一つ一つ丁寧に整理しながら、打開策を3人で探ることになるでしょう。

<パパ頭さん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/nonnyakonyako
▽Instagram
https://www.instagram.com/papaatama/

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