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「無洗米」は手抜きではなく環境のために? 誤解されがちな「無洗米」の作り方「説明すると、とても驚かれます」

太田 浩子 太田 浩子

 BG無洗米などを製造するお米の総合メーカー「東洋ライス」(@toyorice_jp)が、Xに投稿した無洗米の作り方が話題になりました。「BG」とは「ブラン(Bran)=ヌカ、グラインド(Grind)=削る」の頭文字です。

「けっこう無洗米の作り方をいろんな人に聞かれるからツイートにまとめておきます

まず精米工場を建てます」

 この投稿に、「工場を建てるところから?」「スケールがでかい😂」「初期投資のデカさよ🤣」と、5万を超える「いいね」がつきました。工場を建てた後はどうやってつくるのかと続く投稿を確認すると…。

「玄米の受け入れ検査・異物選別をします
玄米を精米します(この段階では洗う必要のある状態)
BG無洗米機でとぎ汁のもとになる肌ヌカを除去します
着色粒や異物を除去した後、袋詰して完成です」

 壮大なスタートのわりに、残りの説明は超ざっくり。「東洋ライス【公式】の中の人」に話を聞きました。

──メーカーさんが「そこから?」という作り方を投稿する流れに乗ったのですか?

 今回の投稿は、洗濯物さん(@do_rakumon)のチーズの作り方、赤穂の天塩さん(@ako_amashio)の塩の作り方の投稿を拝見して、純粋に「うちも無洗米の作り方を知ってもらえたらうれしいな」という気持ちで投稿しました。先に投稿されていたお二方(お二アカウント?)の流れを崩さずに投稿したつもりでしたが…自分が思っていたよりも結果的にざっくりしてしまったようです。まったく狙っていなかったので、ポストや社内からのツッコミで「もしかしてやってしまった?」と認識しました(笑)。

──社内からもツッコミがあったのですね(笑)。実際に無洗米の作り方について聞かれることは多いのでしょうか?

 無洗米の作り方については、実際によくご質問をいただきます。無洗米は、「精米工場でお米を水洗いして乾燥させているもの」と認識されている方が多く、弊社のBG精米製法をご説明するととても驚かれます。

──BG精米についていろいろお聞きしたいのですが、まず、精米工場を建てたのはいつだったのでしょうか?

 平成3年(1991年)です。実は、世界で初めての無洗米である「BG無洗米」を開発・発売したのが弊社なんです。きっかけは昭和51年(1976年)、弊社社長の雜賀(さいか)が20年振りに紀淡海峡を船で渡った際、暗黄緑色に濁った海を見て大きな衝撃を受けたことでした。調べるうちに、その原因のひとつが家庭から出る「とぎ汁」だと知り、そこから「無洗米を開発しよう」と研究を始め、長年の年月をかけて開発したのが「BG無洗米」です。

──ということは、BG無洗米機は東洋ライスさんがオリジナルでつくられたということですか?

 はい。無洗米にはいくつかの製法がありますが、弊社は1991年に世界で初めて無洗米を開発し、「BG精米製法」という独自の方法で製造しています。粘着力の強い肌ヌカ(とぎ汁のもと)の性質を利用し、無洗米にする製法です。BG精米製法で出来た無洗米は「BG無洗米」と呼ばれます。

──とぎ汁に含まれるリンや窒素は下水処理できず、海や川を汚してしまうと言われています。

 弊社のBG無洗米は、海や川の環境を守るために、生活排水の一つである「とぎ汁」を出さないようにと開発されました。ちなみに精米工場で取り除かれたとぎ汁のもと(肌ヌカ)は、リン・チッソといった栄養成分を多く含んでいるため、リサイクルして有機質資材「米の精」として田畑に還すことで循環型農業に役立てられています。

 BG無洗米を選んでいただくことで、地球環境の一助につながります!ぜひこの機会に無洗米を手に取ってもらえるとうれしいです。

 ◇ ◇

 BG無洗米を選ぶメリットを聞きました。

① うまみ層が残っている
「うまみ層」をしっかり残したまま肌ヌカだけを取り除いています。 

② 時間や水の節約に
洗わずそのまま炊けるので、時短・節水につながります。 

③ 環境にやさしい
とぎ汁が出ないため、川や海の汚れの原因を減らせます。 

④ 栄養そのまま
白米と同等の栄養価があります。 

⑤ おいしさ長持ち
酸化しやすい肌ヌカ(とぎ汁のもと)を取り除いているので、通常の精白米よりもおいしさが長持ちします

◾️東洋ライス「無洗米/BG無洗米とは」 https://www.toyo-rice.jp/technology/bg_musenmai/

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