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投票所に鉛筆が置かれる理由とは…理系YouTuberの検証動画に納得「これぞデマに対する科学的な分析」

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「投票用紙とボールペンの相性が話題だったので、水性油性、顔料染料と鉛筆で消えやすさを比較してみました」

“ラムダ技術部”として理系YouTuberをされているラムダさん(@yoidea)。選挙の投票用紙にまつわる検証動画が話題となりました。

2025年7月20日に実施された、第27回参議院議員通常選挙。

さまざまな世代からの注目度が高かった印象のある今回の選挙ですが、一方で不正があるのでは――と、ネット等を通じて警戒する人も。

特に、投票所で筆記具に鉛筆が採用されている件については、多くの疑問の声が上がっており、当日ボールペンを持参したという方もいらっしゃったといいます。

確かに、鉛筆で書かれた文字は消しゴムを使えば簡単に消えてしまうのでは? かといって、それで本当に不正が行われるものなのでしょうか?

ラムダさんはこの件について調査し、動画を通じてその結果を踏まえ私見を述べています。

開票作業における改ざんは不可能? なぜ、鉛筆が使われるの?

まず、ラムダさんは投票後の開票作業の見学に訪れました。

そこで感じたのは、「これだけオープンで複数人から監視された環境で、消しゴムを取り出してゴシゴシするのはまず不可能だろう」ということだったといいます。

それではなぜ、筆記具に鉛筆が使用されているのでしょうか――。

前提として、投票用紙には“ユポ紙”と呼ばれる合成紙が使用されています。

ユポ紙は、通常の紙に使用されるような木製パルプではなく、ポリプロピレンという合成樹脂と天然の鉱物である無機充填剤を主原料に作られており、「書きやすい」、「耐水性に優れる」、「折り曲げてもすぐに開く」(開票時に便利)、「環境に良い」といったメリットがあります。

しかし、その一方で「インクを吸収し難い」という問題もあるといいます。

ここで、ラムダさんは、ペンがユポ紙の上でどれだけ消えやすいかについて検証しました。

インクを使用したペンにも、紙の繊維にインクを浸透させる“染料”、繊維の上に乗ることで色を出す“顔料”というタイプがあり、インクの溶剤によっても“水性”や“油性”といた種類があります。

それぞれのタイプについて、調べてみたところ――。

まず、“水性染料”のインク。すぐに滲んで消えてしまいました。

しかし、“水性顔料”だと、書いた直後は消えやすいものの、乾くまで待つと消えにくくなっています。

次に、“油性染料”インクは、水性に比べてより早く乾くため、比較的定着性が良いという結果に。

さらに、「マッキー」などでおなじみの“油性顔料”タイプは、書いた直後の部分はわずかに滲んでしまったものの、乾いた部分ははっきりと字が残っていることが分かりました。

このようにインクのタイプによっても、滲み具合は異なるということが分かりました。

しかし、最後に“鉛筆”を試してみたところ――。

なんと、擦ってもほとんど文字が消えず、どのインクよりもはっきりと残っている、という結果となりました。

「これが鉛筆を推している理由」だったのですね――。

 

そんなラムダさんの検証動画。公開されたX(旧Twitter)にもたくさんの反響がありました。

「これぞデマに対する科学的な分析と言えよう、素晴らしい」
「しょうもない陰謀論をきっちり叩き潰すのいいね」
「何故律儀に消して書き換えると思うのか」
「調べれば誰でもわかるのに、調べないで不正不正と言っている人達が大勢いるんですよね」

投票の公平性を証明したラムダさんに称賛の声が多数寄せられました。

  ◇  ◇

投票所に鉛筆が置かれている理由。

その背景には、開票の確認に便利なユポ紙に対する、筆記具としての相性があったのですね。

選挙における疑問について、分かりやすい動画で解説してくれたラムダさん。

8月15日、大阪・関西万博にて開催される信州大学のステージイベントにも登壇予定とのことです。

■ラムダさんのX(旧Twitter)はこちら
 →https://twitter.com/yoidea

■ラムダさんのYouTube Channel「ラムダ技術部」はこちら
 →https://www.youtube.com/@lambdatech

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