「わが子が通う小学校には冷凍庫があります。 熱中症対策のために導入されました。子どもたちは朝つけてきたネッククーラーなどの保冷グッズをビニール袋に入れて冷凍庫へ。 帰りには冷え冷えのネッククーラー等をつけて下校できます。親としては朝の登校時より、帰りのほうが心配だよね。わが地域の小学校は全校にあります。教育委員会グッジョブ 小学校グッジョブ。どうか他の地域にも拡がりますように」
6月半ばから、急激に気温が上昇し、暑さが続く日本列島。熱中症による救急搬送などのニュースが連日報じられています。そんななか、小学生の子どもを育てる母親、胃痛さん(@qufuku)の投稿がThreadsで大きな話題に。
熱中症対策事業として町が教育費で冷凍庫を購入した、という報告に「帰りの方が暑いから良いですね」「そういう心遣いがわかる県や行政は素晴らしい」など絶賛の声が続々。また、「教室にあるの?」「誰に依頼したら実現するの?」といった質問のほか、具体的に台数や使い方を教えてほしいとの意見も。
「子どもの安全を守るために町が動いてくれたことに感謝します」と話す胃痛さんと、今年町内すべての小学校に冷凍庫を導入した愛知県蟹江町に取材しました。
冷凍庫が導入されての変化は…?
「小学校でどれぐらいの大きさの冷凍庫がどのように設置されているのか、私は見ていませんが、子どもに聞いたところ、冷凍庫内にはクラスごとに棚があるそうです。そこに、自分の名前を書いた袋の中にネッククーラーを入れて、冷凍庫で下校時間まで保管してくれるのです」
子ども自身、ネッククーラーを装着しての登下校を「快適~」と絶賛していますが、胃痛さんも小さな変化を感じています。
「以前は、帰ってくるとすぐに、“アイスを食べたい”と言ってアイスを食べて、ようやく落ち着く感じでしたが、ネッククーラーをつけて帰ってくる日は言わなくなりました!」
Threadsで大きな反響を受けたことは想定外だったそうで、「私たちが暮らす町の小学校では、熱中症対策として冷凍庫を導入しているのですが、他の地域ではどうかな?という素朴な疑問から投稿したのです」と胃痛さん。
その結果、冷凍庫導入の小学校は珍しいことがわかったと同時に、ネッククーラー自体も禁止されている等の学校がある地域の存在も。
「子どもたちと、ネッククーラー使えたらいいね、と話していたところ」「顔を真っ赤にさせて帰ってきたから羨ましい」など、我が子を思う保護者からの声や、「うちの小学校、アイスリング、ネッククーラー禁止です」と嘆く声が続出していました。
「いろいろな地域の状況がわかり、冷凍庫導入のために動いてくださった教育委員会や小学校、そして町への感謝の気持ちでいっぱいです。今の登下校の時間は、身体に異変をきたしてもおかしくない暑さ。全国の子どもたちを守ってほしいです」
冷凍庫を導入している自治体は?
昨今の暑さは、ひと昔前の暑さ対策では、もはや命を危険にさらす域にまで達しています。下校時の熱中症対策として冷却グッズを保管できる冷凍庫の設置を行なっているのは、兵庫県たつの市や静岡県藤枝市、静岡県焼津市、岐阜県美濃加茂市、三重県川越町、愛知県蟹江町など。
蟹江町では、町内5つの小学校で冷凍庫を導入。「昨年度、試験的に2校で冷凍庫を導入したところ、子どもたちや保護者、学校関係者たちから好評の声が上がったため、今年度は全小学校での導入に至りました。利用方法は各小学校に任せています」と同町の担当者。例えば蟹江町立須西小学校では、「下校まで冷凍庫の開け閉めはしない、ネッククーラーの冷却材には記名をする」といったルールが設けられているようです。
今回の投稿をきっかけに、「議会で取り上げてもらうように、早速お願いした」「家庭科室の冷蔵庫や冷凍庫を使えないか、PTA委員会で話してみる!」「まさに税金の有効活用!」などの声が上がり、熱中症対策がいかに深刻な問題であることが伝わってきます。
ネッククーラー以外の熱中症対策も
現在、日傘を持たせたい親に対して、小学校から「ケガをする可能性があるから“日傘禁止”」と言われ、悩んでいる声もSNSで散見されます。
胃痛さんの子どもが通う小学校ではネッククーラー以外に日傘の利用もOK、また中学校は体操服での登下校も認められています。
「うちはネッククーラーだけでなく、日傘も持たせています。私自身、日傘を使うと暑さが全然違うと感じるので、日傘はかなり大事だと思うのです。
男の子の中には日傘をささない子もいるようですが、うちの子はちゃんを使ってくれますよ。日傘をさして帰ってくると、ネッククーラーもちゃんと冷たいままです。命にも関わることなので、子どもにきちんと話をして理解してもらうべきだと思います」
日傘の禁止理由としては、傘の露先部分が尖っていて危ないからというのが主な理由のようですが、「丸い角」「露先なし」「角 安全」などで調べると、人に刺さらないような工夫が施された商品も。また雨の日は利用できる傘が、猛暑では使えないという理由についても不十分ではないでしょうか。
自治体によって大きな差が見られる熱中症対策。昔ながらのルールにとらわれずに、命を守るためのアップデートを願うばかりです。
■胃痛さん threads (@qufuku) https://www.threads.com/@qufuku