街中でもビジネスファッションにスニーカーを合わせている人を見かけることが増えました。「スーツに」とネットの検索窓に入力すると、検索候補のトップに「スーツに合うスニーカー」が出るくらい求められているようです。男性だけでなく、女性も高いヒールを履いている人はグッと減っているように感じます。
外資のIT企業に勤めてきた「ふっき」(@yumenbiz)さんも、革靴には二度と戻れないとXに投稿して注目されました。
「『黒スニーカーで商談に行く』という経験をしたら最後、もう『革靴』には二度と戻れない。履き心地、快適さ、足への負荷を考えたら革靴というもの自体がもはや実用性のない"趣味の領域"という気がしている。そして黒スニーカーで怒られたり、仕事に支障が出たことは、かつて一度として無い」
投稿には、もう自由で良いのではないかというものから、革靴でないと難しい場面もあるというもの、革靴も足に合うものを選べば長く使えるというものまで、さまざまなコメントが寄せられています。
「仕事さえすれば、誰も文句無いでしょう。もはや多様性社会で、男だからとか女だからとか、そういうのもNGですし」
「大学入学に合わせて買ったときだんだん柔らかくなりますよと言われましたが多分あれは数年足を痛めろという意味なんだと思います……痛い…… もう履いていません」
「革靴は、直し直し30年40年履けます、そこは魅力です。それくらい履くとかなり履き心地は良くなります。」
「個人的にはスニーカーで 営業に来られる方は むしろ好印象ですが クールビズのように 過渡期にはまだ抵抗を持つ方がいて 恐る恐る試してみるなんていう 段階を踏む期間ができるのかなと 思いました。」
「ちょっとだらしない人間だと思ってる人もいると思います。実際に自分だったら思います。その影響は今無いかもしれませんが、出てくる場面も当然に想定出来ます。他の条件が同じだったら、身だしなみ整えてから来る人間の方が熱意があるし、信用出来ると判断出来るからです。」
現在、ふっきさんが革靴を履くのは冠婚葬祭のときだけだそう。「広告系の人たちと仕事をするようになってから、お客さんもカジュアルな服装が多いので徐々に黒スニーカーを履くようになりました」と振り返りました。商談中に、スニーカーが話題になることもないそうです。
「相手を不快にしないという面で一定のマナーや礼儀は必要ですが、機能性や便利さも大事にして、お互い許容できるともう少しラクな社会になるかとは思います。素材よりも身なりに気を使う姿勢と清潔感が大事ですね。『ボロボロの革靴よりピカピカの黒スニーカー』ということかもしれません」(ふっきさん)
ふっきさんが黒スニーカーについて投稿したのは、「スニーカーライクな革靴を勧めているツイートを見て、そもそも革靴自体がもう求められていないのかな」と思ったからだったそう。
アシックスの担当者に話を聞いた
見た目がビジネスシューズのスニーカーを用意する「アシックス ウォーキング」の担当者さんにお話を聞きました。
――スニーカーや、革靴っぽいけれど靴底がカジュアルなラバータイプなどのビジネス用シューズもありますが、見た目が革靴にしか見えないような靴もあります。こちらもスニーカーなのですか?
RUNWALK トラッドシリーズは、アッパー(甲被)は、天然皮革を使用し、見た目は上質なビジネスシューズですが、ソール部分は、スポーツシューズの製造で培ったテクノロジーを搭載しているため、スニーカーのような履き心地となっております。具体的には、ヒール部分は交換可能なAHARラバーを使用し、ASICSの代表的な機能である衝撃緩衝機能GELを搭載しています。
――歩行が楽だということですね。人気なのでしょうか?
トラッドシリーズは2019年から5倍の売り上げ規模に成長しました。職業的に、見た目はビジネスシューズ着用が必要だが、快適な履き心地のものを探しておられる方が多くいらっしゃるということだと思います。
――なるほど。そもそもビジネス用スニーカーはいつから販売されているのですか?
誕生のきっかけは、1976年の国際的なスポーツ大会にさかのぼります。アシックスの創業者である故・鬼塚喜八郎は、その開会式で「アスリートが競技を離れても足を守って正しく歩ける、ブレザーにも似合うシューズを」と思い立ちます。創業者の着想をきかっけにASICS Walkingは1983年に誕生しました。“走れるビジネスシューズ”こと「RUNWALK」は、1994年に30〜40代のビジネスパーソン向けにつくられました。
――そんな前からあるのですか。ビジネス用スニーカーを購入する場合のポイントをぜひ教えてください。
男女共通になりますが、靴選びの第一歩は、ご自身の正確な足のサイズを知ることだと思います。まずは、正確な足のサイズを把握した上で、足に合った靴の着用をおすすめしております。足のサイズを把握したあと、次のステップとして、用途や希望に応じたデザインのシューズを選ばれると失敗しにくいと思います。
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