「社会人になったら保護しよう」と決めていたガリガリの野良猫が、事故で瀕死の重傷!?→ボーナスをはたいて治療、そして今

渡辺 陽 渡辺 陽

保護しようと思った矢先の事故

千葉県で暮らす飼い主Hさんとちろちゃんとの出会いは、まさに運命的なものでした。2021年にHさんが実家で偶然見かけた、ガリガリに痩せ細った猫。それがちろちゃんでした。表札の上で日向ぼっこをしていたちろちゃんは、目やにや鼻水、よだれが目立ち、明らかに病気を抱えていました。当時、Hさんは学生で、保護するには経済力が足りず、また実家には高齢の先住猫がいたため、すぐに家に迎え入れることができませんでした。

Hさんは少しでもちろちゃんを助けたいと思い、庭に雨風をしのげる小屋と水やり場を用意。庭でちろちゃんの世話を続けましたが、近所への糞被害などもあり、次第に保護を考えるようになりました。2023年、社会人となり少しずつ貯金が溜まったHさんは、猫を飼える賃貸に引っ越してちろちゃんを保護する計画を立て始めます。

しかし、その計画が実行される前の12月、ちろちゃんは事故に遭ってしまいました。実家の庭で動けなくなっていたちろちゃんをHさんは緊急で保護。サンルームを暖め、そこにちろちゃんを寝かせて一夜を過ごしました。翌日、動物病院で診察を受けたところ、骨盤が折れており、安楽死か高額な手術が必要だと告げられました。Hさんは迷わず手術を選択。ちょうどボーナスを手にしていた時期だったため、手術費用をカバーできたのです。

その後も、ちろちゃんは重度の口内炎の治療や去勢手術、健康診断などを受け、Hさんは総額100万円以上を費やしましたが、全てちろちゃんのためだと話します。今では事故で不自由だった後脚も回復し、元気に走り回るようになりました。

ちろを守りたい

ちろちゃんが事故に遭う前、Hさんはすぐ保護できなかったことをずっと後悔していました。しかし、ちろちゃんが怪我を負ってまでHさんの元へ戻ってきたことで、その申し訳なさがさらに強くなり、「彼女を守りたい」という決意に変わりました。臆病ながらも攻撃性がなく、とても優しいちろちゃん。外で苦労した分、これからはHさんと共に穏やかで楽しい日々を送ることが約束されました。

ちろちゃんはとても臆病ですが、決して他の猫や人に攻撃することはありません。「野良時代もケンカが苦手で、戦わずに耐え忍んできたおかげで大怪我をせず長生きできた。賢い猫だ」とHさんは語ります。家では、少し離れた位置から首をかしげてHさんを見つめ、撫でられると安心して喉をゴロゴロ鳴らす愛らしい姿を見せてくれるそうです。

さらに、ちろちゃんには新しい仲間もできました。それが、子猫のとろちゃんです。Hさんが一目惚れして迎えたとろちゃんは甘えん坊で、ちろちゃんとも仲良くなれると思い選んだそうです。ちろちゃんの優しさに包まれて、とろちゃんも幸せに暮らしています。

過酷な状況から救い出され、愛情深いHさんのもとで再び元気を取り戻したちろちゃん。これからも穏やかで楽しい猫生を過ごしてくれることでしょう。

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