今年も梅雨明け前から猛暑日が続出し、環境省は「熱中症警戒アラート」を発表するなどして不要不急の外出を可能な限り控え、エアコンなどで涼しい状態を保っている室内で過ごすように呼びかけています。しかし、仕事や通学などで外に出なくてはならない場合も。
そんななかで暑さ対策として重宝されがちな「ハンディファン(携帯扇風機)」について、「この暑さ(35度以上)だとかえって逆効果になります。明らかに気持ち悪い熱風になったら使用を控えてください」と、PC周辺機器メーカーの「エレコム」が注意喚起をおこなっています。
なぜ逆効果なのか?暑さをしのぐための使い方は? 同社に取材しました。
サウナで熱風に当たるのと同じ?
気温35℃以上でのハンディファン使用が危険な理由は、「体表面の汗の蒸発が促進されてしまい、熱に起因する症状(熱中症など)の発症を早める可能性があるためです(※1)」と同社の担当者。
熱風ドライヤーの風を肌に直接当てている状態やサウナでロウリュウをしている状態に相当すると言えば、わかりやすいでしょう。Xにも「猛暑の屋外で風を浴びると却って体温を上げてしまう」とのコメントがありました。
猛暑日にハンディファンを使用する場合の対策として、同社は濡らしたタオルやハンカチとの併用を推奨。「濡れタオルや濡れハンカチを首などにあてて、そこに風を当てると気化熱による冷却効果が得られます」。
また、猛暑日の使い方に加え、「落としてしまったハンディファンを使用するのは危険です。落下による内蔵バッテリーの破損などのトラブルで、発熱や発火、爆発する恐れがあります。また、バッテリー内のリチウムイオン電池が劣化すると電解質の酸化が起こり、ガスが発生しますが、落下などの衝撃が加わることで発火や爆発などの事故につながるケースがあります」と取り扱いの注意喚起も。
Z世代の男性に対する調査(※2)によると、夏の対策アイテムとして「帽子」「汗ふきシート」「日焼け止め」「サングラス」などに次いで、重宝されるアイテムとして23.1%が所持していると答えた「ハンディファン」。日傘に比べると「抵抗なし・どちらかといえば抵抗なし」と答えた方が多いのが現状で、利用しやすいものというのがうかがえます。
猛烈な暑さや梅雨ならではの蒸し暑さ、梅雨明けの厳しい暑さなど今後も暑さは続きます。ハンディファンの風をあてる際は、逆効果にならないように適切に使いましょう。
(※1)参考:米国環境保護庁(EPA) 猛暑対策ガイド「Excessive Heat Events Guidebook」
(※2)Z世代の男性を対象に「猛暑」に関する意識・実態調査
調査機関:Mazeru Share株式会社
調査対象:15~29歳男性 サンプル数:606
調査期間:2024年3月13日(火)
調査方法:インターネット調査
※調査結果の数値は小数点第二位を四捨五入しており、合計値が100%にならない場合もあります。
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