大阪の夏といえば…今年も天神祭! 毎年130万人がやってくるあの花火はこの人の号令で始まる

小嶋 あきら 小嶋 あきら

大阪の夏を彩る天神祭。船渡御に併せて打ち上げられる奉納花火には、周辺も含めて毎年130万人の人出があるといわれます。一方、市街地の花火ということで、しっかり見られる場所が少なく、なかなか見られないという声も。天神祭の奉納花火について、大阪天満宮広報室アドバイザーで天神祭渡御行事保存協賛会の後藤康文さんにお話をうかがいました。

そもそも天神祭の花火にはどういう意味がある?

大阪の花火大会として紹介されることの多い天神祭の花火ですが、これは実は花火大会ではなくて「奉納花火」です。天神祭というのはおおざっぱに言うと、天神様(菅原道真公)が年に1回氏地に出向かれて、民の生活の様子をご覧になったり、疫病退散のためにお浄めをされたりする神事。陸渡御や船渡御はその天神様の行列で、天満宮から御鳳輦という乗り物に乗り移られて、陸と川を巡られるのですね。そしてその際に、歌ったり踊ったり花火を上げたりして道中を盛り上げ賑やかす、私たち大阪の住民はこんなに元気で楽しくやってますよと天神様にお伝えする、というのが元々の趣旨なのです。

つまり、あの花火は天神様に見ていただくためのものです。なので、御鳳輦を乗せた船、そして後に続く鳳神輿と玉神輿を乗せた船が通りかかるタイミングで、よりいっそう盛大に打ち上げられます。その花火を私たちも一緒に見せていただく、というのが天神祭の花火見物ですね。

打ち上げ場所は? よく見える場所はどこ?

さて、天神祭の花火は午後6時15分、船渡御に合わせて打ち上げが始まります。後藤さんはこの開始の号令をかける人、つまり花火の司令官です。「いやいや、別に僕が号令かけんでも6時15分になったら勝手に始まりますねん」とご本人はおっしゃいますが、これはご謙遜。

花火が打ち上げられる場所は2カ所、メインの桜之宮公園のグラウンドと、造幣局前の公園です。桜之宮公園では70mほどの高さの2.5号玉が、そして造幣局前ではより小さい30mくらいの高さの玉と仕掛け花火が上げられます。

市街地のお祭りなのでこれ以上大きな玉は上げられず、またビルの谷間に比較的低い高さの打ち上げなので、見られる場所が限られてしまいます。ただ、これほどの都心部での打ち上げ花火は他にはあまりなく、川面を行く華やかな船渡御の風景と合わせて、天神祭独特の美しさを感じることができます。

花火がよく見えるおすすめの場所を後藤さんに聞いてみましたが、やはり一番は桜之宮公園の対岸、帝国ホテル前だそうです。ただしここは有料観覧席も多く設置される場所で、非常に混み合います。ちょっと入り込むのは難しいかも知れません。少し北に離れますが、都島橋の上からもよく見えるそうです。ただしここは往来ですので、立ち止まっての観覧はできません。あと、JR環状線で天満と桜宮の間を行ったり来たりしながら見るという人も居るそうです。ただしこれは駅でその都度一旦改札を出て精算して乗り直さないと不正乗車とみなされます。

やはりビルの建ち並ぶ街中の花火、快適に見られるスポットはかなり限定されてしまうようです。ただ先にも書きましたが、天神祭の花火はあくまで奉納花火。花火大会ではないのですから、とにかくがっつり花火を見ようというよりも、お祭りそのものの雰囲気を楽しむつもりで足を運ぶのが正解かもしれません。屋台が出て賑やかな大川沿いを渡御の船などを見ながらそぞろ歩き、その合間合間にちらちら見える花火を楽しむ、というのもまた良いものではないでしょうか。

協賛金も受けつけてます、奉納花火

また、天神祭の奉納花火は個人の協賛金も募っています。5000円からで、金額に合わせて記念品の花火玉レプリカが贈られます。今年の受付期間は7月22日まで。大阪天満宮の社務所で受けつけています。あの花火のうちの一発はもしかしたら自分が協賛したやつかも、なんて思いながら眺める花火はまた、ひと味違うかもしれません。

花火の打ち上げ発数は毎年少しの増減がありますが、今年は3000発。大玉はありませんが、菅原道真公にちなんだオリジナル花火「紅梅」など美しい花火が、渡御船の行き交う川面に映えます。

天満宮を中心に氏地のエリア全体がお祭の熱気に包まれる、天神祭。まさに日本三大祭の一つに数えられる大きな大きなお祭です。7月25日、皆さんもぜひお運びください。 

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