見た目はシメジ、大きさは成人男性の胸サイズのきのこの画像がXに投稿されて、4.9万の「いいね」がつく注目を集めました。
「どうも、頭脳・知性が低いゆえに巨大きのこ🍄にロマンを追い求めてしまったきのこ農家です。」
こんなコメントとともに画像をポストしたのは、七会きのこセンターの「WatanabeKai(@Boo_Watanabe)」さんです。抱えるように持っているきのこは、どう考えても大きすぎる…きのこ1本と腕のサイズもほぼ同じです。
画像に「札束を抱えているのかと二度見しました」「デッカ😳 アート作品みたいに綺麗」「ウソビックリ👀‼️」などとコメントがつき、驚きをもって受け止められています。
このきのこは、1株が数十キロになる日本最大級の食用きのこ「ニオウ(仁王)シメジ」です。山でニオウシメジが発生するとそのあたりの栄養素を使い果たしてしまうため、同じ場所にはしばらく発生しないそう。そのため、なかなか見つけられない珍しいきのこです。渡辺さんは、そんなニオウシメジを完全室内で栽培しています。
気になる味の方はどうかというと、「旨みも最高。シンプルなバター焼きもオススメですがカレーが一番オススメ」とのこと。発生のピークは8月上旬~9月中旬頃で、茨城県内の農産物直売所や七会きのこセンターのサイトで販売されています。渡辺さんにニオウシメジについて聞きました。
──いつ頃からニオウシメジを栽培されているのですか?
2019年より野生株(天然のきのこ)から菌糸を培養し、2020年から栽培を行っております。現在は数種類の菌株を使用し茨城県林業技術センター様に御協力を頂きながら、きのこの需要が落ちる夏季期間の賑わいの創出を目指し毎年8月頃に販売できるよう栽培を行っております。
──巨大きのこのどんなところにロマンを感じられるのでしょうか?
ニオウシメジはその大きさに目が行きがちですが、非常に味が良く他のきのこと比較しても一線を画す物があります。まだ一般的に認知されていない物を多くの方々に知ってもらいながらその素晴らしさを広めていくところにやりがいを感じております。
──なるほど。おすすめの食べ方はカレーなんですね。
カレーがオススメと紹介させていただいておりますが、シチュー等の煮込み料理全般がよく合います。もちろん、炒めたり揚げたり焼いたりでも美味しくいただけます。強い旨味と傘の部分、軸の部分で異なる食感があり、カレーのコクと非常にマッチします。これまで、天然品や栽培品を問わず様々なきのこをカレーにして食べてきました(趣味です)が、ニオウシメジがカレーに一番合うと思ったのでこの食べ方をオススメしております。
──今年の夏は食べてみたいです。
きのこの旬は一般的に秋~冬というイメージがありますが、夏が旬のニオウシメジを消費者様、また他の生産者の皆様に知っていただき、全国的にポピュラーなきのこになる未来を目指しております。
■七会きのこセンター https://nanakai-kinoko.net
緑豊かな山々に囲まれた茨城県東茨城郡城里町できのこの多品種目栽培をおこなう。ニオウシメジのほか、黒舞茸や菌床椎茸をはじめ、たもぎ茸やはなびらたけなど様々な珍しいきのこを年間通して栽培している。ネット販売もあり。