「花のくちづけはなくならないで」チェルシー終売に昭和菓子ファン危機感 メーカー「愛されていること実感」

金井 かおる 金井 かおる

 老舗菓子メーカー「春日井製菓」(本社、名古屋市西区)がSNSに投稿したお願いがネット上で大きな話題になっています。

「思い出して」担当者の切なる思い

 同社は3月6日、公式Xに「とっても嬉しいことに、ここ数日『花のくちづけは無くならないで』のお声をSNSでみます」と感謝した上で、「発売40周年を迎えたこの飴を これからも末永くお届けするためにも もっと多く人においしさを知ってもらいたい… 『花のくちづけが好き』って方は どうか…どうか… リポストして広めてくれませんか」と切なる思いをつづりました。

 前日には明治「チェルシー」の販売終了が報じられたばかり。SNS上には花のくちづけファンから「花のくちづけもなくなったら悲しい」「おばあちゃんとの思い出があるのに」「なくならないで」など存続を願う声が多数上がっており、同社の投稿には1.6万を超える「いいね」がつきました。

 同社担当者に話を聞きました。

──なぜ投稿を。

「他社様のロングセラーキャンディ終売のニュースがXでトレンドになったことで、弊社の『花のくちづけ』のキーワードを使った投稿も増えていることに気が付き、同じくロングセラー商品の花のくちづけも思い出してほしいという気持ちで投稿しました」

──拡散が続いています。

「想像以上の反響をいただき、驚きもありつつ心の中でガッツポーズをしました。引用リポストやコメントでは、ご自身の花のくちづけエピソードを書いてくださる方が多くとても心が温まりましたし、花のくちづけが多くの方に愛されていることを実感しました」

──あらためて「花のくちづけ」とはどんな菓子。

「ミルクとスモモの甘酸っぱさがおいしいというだけでなく、多くの方の記憶に残っているキャンディだと思っています。個包装には366日分の誕生花と花言葉が書いてあり、見て楽しめるのも特徴です。1粒おすそ分けするだけでも会話が広がるので、ちょっとしたコミュニケーションツールとして友達や職場の方に花のくちづけを配ってみてほしいです」

 花のくちづけは1984年発売。当時はひねり包装が主流だった中、菓子業界で初めて個包装を導入。ミルクスモモ味という珍しさや、袋に印刷された366日分の誕生花と花言葉も話題になり、人気商品に。2023年7月には、兵庫県の武庫川女子大生とコラボし、Z世代のアイデアを取り入れた数量限定の特別パッケージを発売。西宮市内の商業施設では巨大カプセル玩具を使ったイベントも開催しました。

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