防災リュックの中身、見直しませんか 東日本大震災の被災経験を生かしたグッズが「参考になる」と話題 何が必要か聞いてみた

渡辺 陽 渡辺 陽

能登半島地震が起こり、「我が家の防災体制は?避難所は?」と焦った人も少なくないでしょう。華|汚部屋、片付けたから見てさん(@hana__heya)は、東日本大震災の被災者です。

「連日の能登半島地震の報道を見て『この土日で、うちもちゃんと防災リュックを手作りする!』って人がめっちゃ多いので、『失敗しない防災グッズの選び方』をメモにまとめました。私も家族も、これらの備えをしたおかげで東日本大震災の時に安心して避難生活できました。普段の備え、本当に大切」と、Xに投稿しました。

これだけ揃えたら間違いない!という防災グッズの選び方。華|汚部屋、片付けたから見てさんに教えてもらいました。

ーー東日本大震災で被災されたのですか。

「はい、在宅避難しました。家は倒壊しませんでしたが、あまりの揺れに家の中がめちゃくちゃになり、数日間停電していたので本当に大変でした。幸い水道は翌日くらいに復旧した記憶があります。外は地面が割れることもなく、倒壊している家もありませんでした。ただ、スーパーやコンビニでは一切食料が売られておらず、ガソリンスタンドも数時間待ちですごい数の車が並んでました」

ーー当時、防災用品は揃っていましたか。

「ポストしたようなグッズはだいたい用意していました。ただ、防災用のリュックではなく普通のジム用のリュックに詰めていたので反省しています。防水ではないので、もし大雨の中避難していたら中身がぐっしょり濡れてダメになっていたと思います。また、反射板もないので、夜間の避難だったらすごく危なかったと思います」

ーー結構重たいのでは。

「今持っている防災リュックはキャリーとしても転がせるものです。あまり防災リュックが重いと、避難所まで運べません。ちなみに防災リュックは、ちゃんとグッズをつめると10kgから15kg程度になります。」

ーー防災用品を0次、1次、2次と分けてあるのですね。

「1次は絶対に分けずに全ての荷物を1つの防災リュックに入れておいた方がいいと思います。
東日本大震災の時は、『もうそろそろ大丈夫だろう』と安心して家にある荷物を取りに帰ってそのまま次の地震で亡くなった方もいるとニュースで見ました。そのため、命を守るためにも必ず全部持っていくようにした方が安全かなと思いました」

ーー全部揃えると結構な費用になるのでは。

「はい、金額を細かく記録したわけではないのですが、6万~8万円かかっていると思います。速乾Tシャツは7000円ぐらいしましたし、災害用のモバイルバッテリーは8000円くらいでした。防災リュックも1万円ちょいしました。これは“必携”というものは『中身が入っている防災リュックセット』の中身をそのままマネすれば良いかなと思います。『これだけはないと命にかかわる』というモノを、防災士の資格を持った方がきちんと選んでくれているので。順次揃えたほうが良いものは、そのセットに入っていないもの以外かなと思います」

ーーストレス解消のために持っておくといいものもありますか。

「電気を使わずに夢中になれるものが良いと思います。たとえば推しやペットの写真。私の場合は、トランプが一番よかったですね。ババ抜きとか大貧民とか神経衰弱とか、だいたい20~30分くらいプレイすると思います。その30分の間、トランプに夢中になるから、被災して辛い思いをしていることを束の間忘れることができるんです。あと、ちょっとお高いアイマスクと耳栓も持っておくと良いです。避難所はガヤガヤしているようなので、良質な睡眠は取りづらいなと思います。私は3000円くらいのアイマスクと1000円くらいの耳栓を買いました。アイマスクは、あまりに良すぎて普段使い用にも追加で買ったのですが、とろり&ふわりとした付け心地で、光も入らず耳もあたたか。ぐっすり眠れます」

ーー能登半島地震と違って真夏に被災する可能性もありますね。

「真夏に被災して停電になると、気温40度の中、家にいることになるので、破ると割れて冷たくなる保冷パックがあると良いと思います。ただこれ、すごく場所をとるので私は20パックくらいしか持っていません。体を冷やすものがないと熱中症で命を落とすかもしれないので、これはおすすめです」

投稿を見た人からは、

「うちの防災リュックには、踏み抜き防止中敷を入れています。安全靴がベストでしょうけれど、リュックに入るものをと思いました」

「ペンは水にも油にも強い鉛筆が1番だと生理学の先生に習いました。シャープペンシル入り4色ボールペンとロケットペンシルとネームペン(芸能人に出会った時にサインもらう用)を持ち歩いてます。」

「『家族や友達、ペットとの写真』を印刷したものを持っています。探す時にも役立つし、心細い時に何よりの心の支えになると思います。」

など、たくさんのアイデアが寄せられ、「いいね」は9万件にもなりました。

リュックの中身は定期的に点検することも大事です。華|汚部屋、片付けたから見てさんは、防災週間の3月11日と9月1日に見直すようにしているそうです。

華|汚部屋、片付けたから見てさんは、ブログにさらに詳しい防災グッズの選び方を書いています。参考になさってください。

https://hana-heya.com/disaster_prevention/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース